外食で「無塩無糖」料理 ~対応してくれるレストランも~

AI要約

勤め先の病院での食事制限に慣れ、旅行や外食でも無塩無糖の食事を工夫して楽しんでいる様子。

食料品ストアやレストランで無塩無糖の食材を探し、焼肉店やすし店、しゃぶしゃぶ店でのオーダー方法を工夫している。

学会で久々に会った先輩医師に無塩無糖食について指摘を受け、数年後の訪問で先輩自宅で無塩無糖料理を提供され感慨深く思う。

外食で「無塩無糖」料理 ~対応してくれるレストランも~

 勤め先の病院には「無塩無糖」の弁当持参です。しかし、旅行や学会ではどうしても外食をせざるを得なくなります。いろいろな工夫をするようになりました。旅行中、食料品ストアに行き「無塩無糖」の食料を探します。例えば、刺身とサラダ、ご飯などです。宿泊も朝食バイキングのあるホテルを選び、バイキング料理の中から種類は限られますが、ご飯、サラダ、卵、納豆、豆腐、刺身、ヨーグルト、果物などを食べます。

 すし店では酢、塩、砂糖の入っているすし飯ではなく、白ご飯で握ってもらいます。今までにお願いしたすし店では、どこも「白ご飯で握ったのは初めてだ」と言われました。海鮮丼も白ご飯にしてもらいます。とんかつ店では豚肉に塩を振らずに揚げてもらい、ソースをかけずにいただきます。

 「無塩無糖」の私たち夫婦にとって入りやすい店は焼き肉店です。肉はたれの付いていない素焼き肉を頼み、野菜などと焼いて、たれを付けずに食べます。しゃぶしゃぶも「無塩無糖」に良いです。肉・野菜をたれなしで食べます。しゃぶしゃぶの鍋の汁も塩なしで頼みます。煮詰まった汁も栄養が豊かでおいしく、最後まで飲み干すことができます。

 「無塩無糖」になり十数年経過した頃、学会で研修医時代の指導医だった先輩と久しぶりにお会いしました。昼食になり、筆者がメニューを見ながら「『無塩無糖』となり、食べられる料理がありません」と言ったところ、先輩が驚き「人体実験はやめなさい」、「そこまでして長生きしたいの?」と忠告されました。

 それから数年して先輩宅に伺いました。驚いたことに「無塩無糖」の料理が6品用意してありました。先輩に尋ねると、「本日は特別にすべて『無塩無糖』だよ」、「わが家も完全な『無塩無糖』とまではいかないが、それに近い料理になったよ」、「高血圧にも良いしね」と言われました。筆者には、どの料理も美味でした。

 鹿児島県霧島連山の南山麓にある妙見温泉のおりはし旅館が「無塩無糖」懐石の提供を始め、その1年後、同じ鹿児島県の姶良市にある温泉宿泊複合施設、健康の駅「ホテル・フォンタナの丘かもう」がメニューとして「無塩無糖」食の提供をスタートしました。2020年のことです。きっかけは健康に配慮した料理を提供したいと考えていた経営者の山野秀明氏が、筆者の「無塩無糖」の体験談を聞き、実際に味わったことです。料理長が塩と砂糖を使わず、工夫に工夫を重ねて、山野氏が名付けた「夢塩夢糖&無塩無糖」ランチが出来上がりました。食しましたが、食材本来の味が生かされ、予想以上に味わい深い料理でした。その後、友人とのランチでも利用しています。