超新星爆発が噂されるベテルギウス。すぐ近くに兄弟星がいるのかも

AI要約

オリオン座のベテルギウスが超新星爆発の可能性が注目される中、新たな原因が浮上

ベテルギウス周りの小さな星が存在する可能性で、2つの変光周期の謎が解明される可能性

ベテルギウスは核ヘリウム燃焼期にあり、伴星があれば超新星爆発まで残り約10万年とされる

超新星爆発が噂されるベテルギウス。すぐ近くに兄弟星がいるのかも

超新星爆発が近いのではないかと言われ続けているオリオン座の恒星ベテルギウス。星の明るさが変動し、暗くなると、いよいよ爆発では!?と注目が集まってきました。

そんな明るさの変動原因に新説が浮上しました。ベテルギウスの周りには、ベテルギウスを周回する小さな星(伴星)があり、その星が原因なのでないかというのです。

もしこの星が存在するなら、質量は太陽とほぼ同じだと予想されています。ニューフェイスが何で突如現れたの?と思うかもしれませんが、こやつがいることを仮定すると、ベテルギウスの謎についていろんなことがわかってくるのです。

ベテルギウスには2つの変光周期があります。メインのサイクルは420日周期、もう一つは2,170日(約6年)周期です。

これらの周期に沿って、明るくなったり暗くなったりを繰り返しています。最新の研究チームは、この不思議な2周期性の原因が、ベテルギウスとともに二重星系を形成する小さな星によるものだと仮定しました。この研究はまだ査読前ですが、プレプリントサーバーarXivで公開されています。

ハンガリーのコンコリー天文台の天文学者ラースロー・モルナル氏は、Gizmodoに対して以下のようにメールで語っています。

「もし伴星が存在するなら、両星は共通する重心の周りを回り、その結果、速度の変動を説明できます。また、伴星がベテルギウス周囲の塵に影響を与え、明るさの変動を引き起こしているのかもしれません。

この仮定に基づけば、ベテルギウスに対する理解が一変します。ベテルギウスはすでによく研究された星です。最初はまだ発見されていない伴星が存在するなどということは、考えもしませんでした」

ベテルギウスの寿命は約1000万年と、我々の太陽の寿命約50億年と比較するととても短いものです。地球から約642光年離れたところに位置し、夜空でも非常に明るく輝くこの星の質量は、太陽の15倍から20倍だと推定されています。

ベテルギウスに寿命が近づいていることは確実で、最終的には壮大な超新星爆発を起こす運命です。

ベテルギウスは、私たちの太陽よりもはるかに速いペースでエネルギーを消費しています(ちなみに太陽はあと50億年程度で最期を迎える予定とか…)。ベテルギウスがエネルギーを使い果たすと、外側に膨張し、星の中心部分は超高密度の中性子星やブラックホールになると予想されています。

研究の共同著者で、ワイオミング大学の天文学者メリディス・ジョイス氏は、Gizmodoに対してメールで以下のように述べています。

「私たちのチームが愛称を付けた 「BetelBuddy」(ベテルギウスの伴星 alpha Ori B)がもし発見されたなら、二次周期が起きている理由や、変光している理由がわかり、ベテルギウスの変動段階が判明します。

もし伴星が存在すれば、ベテルギウスが核ヘリウム燃焼期に入っているといえるでしょう。核ヘリウム燃焼期にあるということは、超新星爆発まで残り約10万年ということになります」