<独自>中国公船が海保の測量船を執拗に追尾 尖閣諸島北方のEEZ内で、接近は12年ぶり

AI要約

中国海警局の船が日本の排他的経済水域内で海上保安庁の測量船を追尾しており、12年ぶりの接近を確認。

中国公船が海洋調査船を執拗に追跡し、無線で調査中止を要求する事態が起こっている。

専門家は、これらの行為が海域の平和を損ない、許されないと指摘している。

<独自>中国公船が海保の測量船を執拗に追尾 尖閣諸島北方のEEZ内で、接近は12年ぶり

尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島から北東に約120キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査を行っていた海上保安庁の最新鋭測量船「平洋」(約4千トン)に中国海警局の船が近づき、執拗(しつよう)に追尾していることが20日、関係者への取材で分かった。海保によると、測量船への中国公船の接近は平成24年2月以来、12年ぶり。

船舶自動識別装置(AIS)を搭載した船舶の運航情報などを提供するサイト「マリントラフィック」のデータを基に産経新聞が分析したところ、中国浙江省舟山(しゅうざん)市を出港した「海警2502」が日中中間線を越え、今月14日午後6時半ごろから日本のEEZ内で平洋を追尾。16日以降は「海警2501」と入れ替わり、追尾を続けていることが確認された。

平洋は今月4日に千葉県船橋市を出港。海底の地形を探査するマルチビーム測深機などを搭載している。

12年前は日本のEEZ内で海保の測量船「昭洋」と「拓洋」に、中国国家海洋局の公船「海監66」が付きまとい、無線で調査の中止を要求したが、海保関係者によると、20日昼時点で中止要求は出ていないという。

東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は「日本のEEZ内で調査活動をしている測量船に付きまとうのは、不安を与える行為であり、海域の平和を考えると許されることではない」と指摘した。(大竹直樹、データ分析・西山諒)