車いす利用者の目線学ぶ 「おもてなし基礎研修会」 奄美大島

AI要約

障がいがある人や高齢者も安心して奄美群島を旅行することができるよう、接遇を学ぶ「おもてなし基礎研修会」が開催された。

研修では、車いす利用者の目線や、コミュニケーションの取り方について学ぶことができ、特に声を掛ける重要性や必要な支援を求める姿勢が強調された。

バリアフリー施設よりも、細やかな配慮や工夫が重要であり、施設の改造だけでなく、日々の取り組みで障がい者や高齢者の支援を進めていくことが示唆された。

車いす利用者の目線学ぶ 「おもてなし基礎研修会」 奄美大島

 障がいがある人や高齢者も安心して奄美群島を旅行することができるよう、接遇を学ぶ「おもてなし基礎研修会」が19日、鹿児島県奄美市名瀬のワークスタイルLab Innoであった。同県主催。奄美大島の宿泊・飲食事業者ら17人が参加し、車いす利用者の目線や、コミュニケーションの取り方について学びを深めた。

 「奄美群島心のおもてなし推進事業」(県大島支庁事業)の一環。「かごしまバリアフリーツアーセンター」(鹿児島市)の紙屋久美子代表を講師に招き、肢体不自由な人やさまざまな障がいがある人に応じた話し掛け方を解説した。

 接遇のポイントは▽積極的に声を掛ける▽本人と目線を合わせる▽勝手な判断をせず必要な支援を本人に尋ねる―など。紙屋代表は「声を掛けるのも勇気がいる。断られるのを恐れず、分からないことは本人に聞いてみて」と呼び掛けた。

 また重要なのはバリアフリーの施設にすることではない、と指摘。筆談ボードの用意や和室でのいすの貸し出し、近隣のバリアフリートイレの情報などが有益だと話し、「創意工夫でできることはたくさんある。特別なことをしなければならないと身構えないで」と解説した。

 奄美大島で介護が必要な人たちに訪問サービスを提供している有償ボランティアナースの会「キャンナス奄美」の野崎美香代表とのトークセッションもあった。

 受講した大和村国直の宿泊事業者江崎隼太さん(37)は「特別な施設改造が必要かと思っていたが、あしたからでもできそうな取り組みを知ることができた。健常者の目線だけでなく新たな目線で集客を図ることも考えていきたい」と語った。