災害関連死、高岡で2人 90代女性と80代男性 県内初認定

AI要約

高岡市と富山県は20日、能登半島地震による2人の災害関連死を認定した。90代女性は食事中の窒息、80代男性は急性大動脈解離により死去。遺族に最大500万円が支給される。

90代女性は避難所生活の間に肺炎で敗血症を発症し、窒息死。80代男性は自宅の倒壊により腰椎骨折、心不全の悪化をきたして死亡。

市は委員会を開き、因果関係を認め、遺族への支給が決定された。

 高岡市と富山県は20日、能登半島地震による災害関連死として市内の90代女性と80代男性の2人を認定したと発表した。県内では初の認定となる。

 90代女性は震災直後、大きな揺れで棚の上のガスコンロが落下し、背中に当たったが、津波の恐れもあり、避難所へ避難した。一時帰宅後、発熱と胸の痛みがあったため入院し、治療を受けていたが、朝食を食べている際に食物による窒息で亡くなった。

 80代男性は地震で傾いた自宅で転倒し、腰椎圧迫骨折と診断され、入院。一度退院したが、容体が悪化して救急搬送され、急性大動脈解離により死去した。

 市は17日、医師2人、弁護士2人、学識経験者1人でつくる第1回市災害弔慰金等支給審査委員会を開催した。90代女性は被災により肋骨(ろっこつ)を骨折し、避難所生活で体力が低下。肺炎による敗血症を招き、既往症である嚥下(えんげ)機能の低下が悪化し、窒息で死亡したと推認され、災害と因果関係があると認められた。

 80代男性は被災後、避難所に行くことが難しく、傾いた自宅で暮らしていたことにより骨折し、体力が低下。既往症である慢性心不全が悪化し、死亡したと推認された。死因は急性大動脈解離とされているが、慢性心不全が悪化した可能性もあると考えられ、災害との関連が認められた。

 市によると、認定された人の遺族には災害弔慰金支給法に基づき最大500万円が支給される。