9月21日は世界骨髄ドナーデー 55歳以上は対象外に 若い世代の登録増が課題〈宮城〉

AI要約

9月21日は「世界骨髄ドナーデー」で、骨髄ドナー登録の重要性を知ってもらうために設けられた日。骨髄ドナーは白血病などを治療するための骨髄提供者で、18歳から54歳が登録対象。

骨髄移植を希望する患者が年間約2000人で、登録者数は55万7800人。適合率は94.1%だが、実際の移植率は6割程度であることから、登録者増加の必要性がある。

若い世代のドナー登録を増やすために、献血会場での骨髄バンクのドナー登録会も行われており、若い人にも積極的な参加が呼びかけられている。

9月21日は世界骨髄ドナーデー 55歳以上は対象外に 若い世代の登録増が課題〈宮城〉

9月21日は「世界骨髄ドナーデー」です。骨髄ドナー登録の重要性を知ってもらうことなどを目的として2016年に制定されました。骨髄ドナーとは、白血病などを治療する骨髄移植で必要な骨髄を提供する人のことで、登録者の条件は18歳から54歳までです。55歳以上はドナーになれないため、若い世代の登録者を増やすことが課題となっています。

宮城骨髄バンク 中川國利理事長

「若い人へのアピールがまだまだ足りない。若いドナーを増やしたいと思っています」

こう話すのは、宮城骨髄バンクの中川國利理事長です。骨髄バンクは骨髄移植が必要な患者とドナーを仲介する機関です。

宮城骨髄バンク 中川國利理事長

「日本全体では、年間2000人ほどが骨髄移植を希望しています。希望者の6割くらいは骨髄移植はできますが、4割は骨髄移植ができない状況」

ドナー登録をして白血球の型が患者と一致すると提供者の候補になります。今年7月末時点でのドナー登録者は55万7800人。移植を希望する約2000人の患者との適合率は94.1%と、非常に高い確率です。にもかかわらず、実際に移植に至る割合が6割に留まっているのはドナー側の事情もあるといいます。

宮城骨髄バンク 中川國利理事長

「大学とか会社を休むことができないとか、住所を変更しても届け出ない人が多い。すぐにドナーが見つかって、骨髄移植に至るようになるためには、まだまだドナー登録者を増やす必要があります」

骨髄移植を待つ人が確実に提供を受けられ、命が救われるためには、さらに多くの登録者が必要です。そのドナー登録、実は「献血会場」で簡単にすることができます。

西ノ入菜月アナウンサー

「青葉区の仙台三越前のこちらのビルの6階では、献血と並行して骨髄バンクのドナー登録会を行っています」

青葉区一番町の献血ルームでは、大みそかと元日以外、献血と骨髄バンクのドナー登録を行うことができます。

説明員

「それだけ登録してもらえれば、患者さんに当たるだろうと。母数が多いに越したことはないので、是非登録をお願いします」

月に2回は、日本骨髄バンクから認定を受けた説明員が来て、骨髄バンクの仕組みや提供者になった場合の実際の流れなどを詳しく説明しています。登録に必要な血液はわずか2cc。小さな容器にほんの少しの量です。この採血で、骨髄バンクのドナー登録は完了です。

4回目の献血に来た大学生(Q骨髄バンクの登録ができることを知っていた?)

「いえ、知りませんでした。そんなに簡単にできるならやってもいいかなって思いました」

現在、ドナー登録している人のうち6割が40代以上。また、骨髄提供ができなくなる55歳を迎える人が毎年2万人いることから、若い世代のドナー登録が特に必要だといいます。そのために、宮城骨髄バンクの中川理事長は、若い世代の力を借りたいと考えています。

宮城骨髄バンク 中川國利理事長

「若い人にアピールするためにも、若い人が説明員となってドナー登録会に出て、骨髄移植の現状、必要性を説明して、若いドナーを増やしたいと思っています」

9月13日、宮城大学看護学部で行われたのが「骨髄ドナー登録の説明員ボランティア」養成講習です。若い世代に骨髄バンクに興味を持ってもらい、登録につなげるため、学生にも説明員になってもらおうと宮城骨髄バンクが初めて大学で講習を行いました。参加したのは、看護学部の2年生5人です。

宮城骨髄バンク 坪内啓理事

「相手の安心を得ながら丁寧に説明していく役割が説明員」

この日は、骨髄バンクの説明員になるために必要な資格や、登録を促す際にどんな説明をするのか、実際に活動している説明員から話がありました。学生たちは、骨髄ドナー登録について理解を深め、若い世代だからこそできることを探していました。

看護学部2年生

「以前、自分が骨髄バンクに登録したんですけど、その後、何もしていなかったので、自分にできることがあればいいなと思って。自分も説明員になって少しでもドナー登録が増えて患者さんを救っていけたらいいなと思う」

宮城骨髄バンク 中川國利理事長

「骨髄移植に関して関心を持って積極的に聞いてくれて期待が持てた。ぜひ説明員となって骨髄ドナー登録会場で活躍してほしいと思う」

中川理事長は、ドナー登録者を一人でも増やすことが患者の命を救うと強調しました。

宮城骨髄バンク 中川國利理事長

「(ドナーを待つ患者は)提供をしてもらわないと生きることができません。是非一歩を踏み出してドナーになって、提供していただければと思います。」