能登半島地震への思いも 岩瀬でアートイベント開催中

AI要約

富山市の港町・岩瀬地区で工芸作品を紹介するアートイベントが開催されています。能登半島地震の被災地への思いを寄せた作品が展示されています。

木彫刻や焼き物など多彩な作品が地元の店舗や庭に展示され、地元の歴史や伝統工芸を感じることができます。

被災地への思いが込められた作品も多く、アートを通して地元の魅力と復興への願いが表現されています。

能登半島地震への思いも 岩瀬でアートイベント開催中

富山市の港町・岩瀬地区で工芸作品を紹介するアートイベントが開催されています。能登半島地震の被災地への思いを寄せたものなど多彩な作品が街なかで展示されています。イベントの模様を取材しました。

富山市岩瀬地区にある、そば屋の蔵です。そこにあったのは“柿”。一見、本物のように見えますが実は木彫刻です。地元の木彫刻師・岩崎努さんの代表作で、ひとつの木材から作品を彫り出す「一木造り」で作られています。

木彫刻師 岩崎努さん(岩瀬在住)

「はじめてこういうふうに蔵で展示をさせていただいたんですけど、自分が言うのもなんですけど、いい展示になって喜んでいます」

NPO法人や文化庁などが主催する工芸の祭典「GO FOR KOGEI」。伝統工芸がさかんな北陸を舞台に2020年から始まり、2024年は9月14日から岩瀬地区と石川県金沢市で開催しています。

岩瀬地区は2023年から引き続きの開催で、地区内の店舗などを利用して作品を展示しています。目指すのは、工芸の魅力を新たな視点で感じてもらうことです。

総合監修 秋元雄史さん

「古い町並みがとても良く残っていて、海運業で栄えた岩瀬の歴史が今にも感じられるということと、街の魅力と一緒に工芸の魅力・アートの魅力を伝えたいなということで、この場所でやらせてもらっています。現代アートの工芸を含めて今の時代の表現を街中で展示することで、新しい作品を見るだけじゃないおもしろさがいくつも出てくる、そういうものを楽しんでもらえればいい」

イタリア料理店の庭に展示されているのは、カラフルな焼き物の作品。作者の岩村遠さんは今回特別な思いで参加しました。

岩村遠さん

「なによりも今年1月の震災のことが僕には大きくて。大学時代を金沢で過ごして、学部生・大学院生と計6年間金沢で過ごして、北陸はその時にいろいろ回って、自分の中では第二の故郷みたいに思っていたんですけど。何かできないかなと思っていたときに、今回の展示の話をいただいて、なによりも北陸で自分の作品を展示できるということに一番意義を感じて」

展示した作品は、もともとニューヨークでの個展のために制作したものでしたが、元日の能登半島地震で大きな被害を受けた北陸での展示のため、大きく雰囲気を変えたといいます。

岩村遠さん

「色とかも全然違う暗い色にしようかなと思って作っていたんですけど、華やかな色を北陸に僕は持っていきたいなと思ったので、作風もガラッと変わって鮮やかな色で仕上げることになりました」

歴史と伝統ある街の中で展示された多彩な作品。被災地の復興への思いが滲んでいます。

総合監修 秋元雄史さん

「能登の地震が影響して、その中で作品が生まれてきていたりとか今回の出品に至っているということがあるので、直接言及している作家さんは何人かしかいないが、そういったものが背景にあるのはあると思います。日常、毎日は続いていくので、できるだけちょっとでも何か元気になってもらえるようなものになればいいなと思いますし、ちょっとした気分転換でもいいのでアートでほっとしてもらえたらいい」

このイベントは10月20日まで開かれています。