原燃社長、再処理延期で報酬30%返納

AI要約

日本原燃の増田尚宏社長が、使用済み核燃料再処理工場の完成延期責任を取り、役員報酬の一部を自主返納することを表明した。

増田社長と3副社長が報酬の一部を返納し、原燃経営層の責任を認めた。

再処理工場の完成目標の27回の延期について、宮下宗一郎知事は一定の答えと受け止めている。

原燃社長、再処理延期で報酬30%返納

 日本原燃の増田尚宏社長は19日、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完成延期の責任を取り、役員月額報酬の30%(1カ月分)を自主返納すると表明した。8月末の延期報告に際し、増田社長の経営責任を指摘した宮下宗一郎知事は「一定の答えと受け止めてはいる」との認識を示した。

 増田社長のほか、仙藤敏和、大柿一史、沼畑秀樹の3副社長が報酬の15%(1カ月分)を自主返納。原子力施設に関する県議会説明会で、増田社長は「竣工(しゅんこう)目標を見直すことになり、県民に心配と迷惑をかけた」と陳謝した。原子力施設を有する電力各社の運営計画に影響を与えてしまったとして「自ら責任を取る形がふさわしい」と述べ、報酬の一部返納を表明。説明会には宮下知事も同席した。

 再処理工場は、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策の中核施設。1993年に着工したが、相次ぐトラブルや原子力規制委員会の審査対応に難航し、完成目標を27回延期。宮下知事は8月末、「誰も何の責任も取らず済む話なのか」と原燃経営層の責任をただし、速やかな回答を求めていた。

 報酬返納の表明を受け、宮下知事は報道陣に「27回の延期などについて何らかの責任を取る必要があると問いかけたつもりで、(返納が)一定の答えということなのだろう」とし、事後的に報告を受けるとした。