「“ペーパーハンター”支援します」 館山でわな猟免許保持者に新サービス開始へ(千葉県)

AI要約

館山市内で、初心者のハンターが有害鳥獣を捕獲する支援サービス「イノカリ」が始まる。

イノカリはペーパーハンターを募り、地元の猟師が月額制で全面的にサポートする。

サービスは獣害対策が必要な地域で開始され、活動範囲は市内の作名地区に限定される。

「“ペーパーハンター”支援します」 館山でわな猟免許保持者に新サービス開始へ(千葉県)

館山市内で、初心者のハンターが有害鳥獣を捕獲する際の支援サービス「イノカリ」が始まる。「わな猟の免許を持っているけれど、どうしたらいいかわからない」「技術を教えてほしい」など、いわゆる“ペーパーハンター”を全国的に募り、月額制で地元の猟師が活動を全面的にサポートする。「ライフスタイルに合わせた狩猟生活を支えるので、ハンターになりませんか」と呼び掛けている。

このサービスは、市の地域おこし協力隊(獣害対策担当)を今年いっぱいで退任する松坂義之さん(56)と山田聡さん(53)が、退任後も地域に残って獣害対策に当たろうと、地域共同獣害対策推進協会を立ち上げて展開する。

館山市内では、イノシシを中心とした有害鳥獣が年間約2000頭捕獲されている。有害鳥獣による農作物への被害は年々増えており、継続的に捕獲に取り組んでいる。

捕獲作業には、許可を受けた有害鳥獣捕獲従事者が当たっているが、高齢化などで担い手が不足しており、今後は捕獲数が減ることが懸念されている。

松坂さんによると、全国的に獣害が大きな問題となっている一方で、かつては全国で51万人いた狩猟免許の保有者が、近年は20万人ほどに減少した。だが、わな猟の免許取得者は、近年の狩猟ブームの高まりもあり、増加傾向にある。ただ、「狩猟する場所がない」「単独で猟を行うのは難しい」といった理由で、3割程度は狩猟経験が無いペーパーハンターだという。

支援サービスは、こうした状況を踏まえて展開する。市内に在住していなくても、わな猟の免許を持つ人を「捕獲従事者」として受け入れ、活動してもらうことで、持続的な獣害対策につなげることが狙いだ。

サービスでは、2人をはじめ、市、作名地区有害獣対策会が協力する。利用者は1人月額2万5000円程度でくくりわなの貸与や設置場所の提供、捕獲・解体などの作業で、全面的に手厚いサポートを受けられる。

サービス利用者は、狩猟活動の範囲が館山市の作名地区に限定されるが、捕獲従事者として活動するため、狩猟税を納める必要がない。狩猟期間(毎年11月15日~2月15日)以外でも活動が可能で、年間を通して捕獲に当たることができる。有害鳥獣を捕獲した際には、報奨金ももらえる。

松坂さんは「ハンターらの悩みを解決するとともに、地域における獣害対策につなげられれば。また先進事例を作り、この取り組みを市内の他の地域にも広めていきたい」と話している。

申し込みは、すでに17日から開始しており、サービスの提供は11月ごろから始める予定。

(押本裕也)