トリニータJ3降格危機 不振の原因は「マネジメント不足」「シンプルに勢いがない」 監督、選手が本音を吐露
大分トリニータはJ2リーグで低迷し、残り8試合での残留争いに巻き込まれている。監督と選手が不振の原因を分析し、攻撃力の不足やけが人の多発が課題であることが明らかになった。
クラブは片野坂知宏監督の続投を発表し、攻撃力の向上と失点を抑えることが残留へのカギであると指摘されている。復帰組の選手やサポーターからは残留への期待が寄せられている。
クラブ創設30周年の節目での大きな試練となっているが、指揮官と選手がチームを奮起させ、悔いのない戦いでJ2残留を目指す姿勢を示している。
サッカーJ2リーグで現在16位と低迷し、残り8試合を迎えた大分トリニータ。J3自動降格圏となる18位との勝ち点差が6と迫り、J2の残留争いに巻き込まれています。不振の原因について、監督と選手を直撃しました。
リーグ前半戦から波に乗れなかったトリニータは、シーズン後半に入って失速。片野坂知宏監督は不振の原因として、試合中のマネジメント不足とけが人の多発だと説明します。
片野坂監督:
「監督としてこういう状況になったことが非常に悔しい。私自身がやりたいフットボールがあって、それをトライする中で90分のマネジメントで足りないことがあった。そして、けが人が多くなってなかなか結果が出なかった」
前節終了後、片野坂監督が自らの進退に言及する事態にまで発展しましたが、クラブは9日、現体制の維持を発表しました。
また、「得点力不足」も低迷の要因です。チームの総得点は、リーグワースト2位。後半戦の11試合でわずか5得点、このうち8試合が無得点という厳しい状況が続いています。
攻撃の中心である野村直樹(33)は、「チーム全体に負の連鎖がある」と感じています。
野村:
「シンプルに勢いがない。絶対点を取らないといけない、絶対勝たないといけないという目に見えないプレッシャーを感じていると思います。僕も含めてチームの調子が良い時とは違うので、1試合でも勝つと全然変わってくると思う」
得点力不足の解消が喫緊の課題となる中、ベテランの梅崎司(37)は、引き分け狙いでも着実に勝ち点を積み上げることが残留へのカギと考えています。
梅崎:
「攻撃も大事ですが、失点をせず、負けない戦いも非常に大事だと思います。現実的に戦うことも残留への一つのプランと思います」
サポーター:
「何とか残留をしてくれると思います。それを信じて応援するしかないんで」「勝つ試合が見たいですね」「大分トリニータは昔から修羅場を乗り越える精神でがんばってきたので、今度も残ってくれると思います」
一方で明るい材料も。膝の大けがで1年以上戦列を離れていたユース出身の屋敷優成(20)が山形戦で復帰。去年、年代別の日本代表にも選ばれた屋敷は、8日に行われたトレーニングマッチで3得点をあげ、チームの起爆剤として期待がかかります。
屋敷:
「これから試合に出られるようになったら必ず点を取って、結果で恩返ししたいと思います」
片野坂監督:
「残り8試合、指揮をとらせてもらうことになり、まず勝つゲームができるように、そして喜び合えるように、悔いのないように戦いたいと思います」
クラブ創設30周年の節目に迎えた大きな試練。J2残留に向けて負けられない戦いが続きます。