ヘルメット着用率 青森県40位

AI要約

青森県が自転車ヘルメット着用率向上に取り組んでいることが報道された。県内での事故死者の多くがヘルメットを着用しておらず、特に若年層に着用を呼びかけている。

県警は若者向けにSNSなどを活用してヘルメットの重要性を訴えており、学校でもモデル校を指定するなど啓発活動を行っている。

ヘルメットの需要が増加している一方で、街中で着用者はまだまだ少ないと指摘されている。自転車店やホームセンターもヘルメットの取り扱いを拡大している。

ヘルメット着用率 青森県40位

 警察庁が12日発表した自転車乗車時のヘルメット着用率調査で、青森県は9.1%で全国40位となった。昨年の2.5%から上昇したものの、いまだ全国平均に届いていない。県内で発生した自転車事故による死者の大半はヘルメットを着けておらず、県警は「まだ県民全体に普及しているとは言えない」と着用の重要性を引き続き訴える。

 2019~23年、県内の自転車事故死者24人中ヘルメット非着用者は22人。このうち、頭部に受けた傷が致命傷なって死亡したのは9人だった。今年に入り死者はいないが、負傷者は106人(7月末時点)。88人がヘルメットを着けていなかった。負傷者の内訳は高校生が22人、中学生が13人で全体の3割を占める。

 県警交通企画課の高橋晶子交通企画官は一般論とした上で「中高生は移動手段が自転車と徒歩。特に高校生は行動範囲が広がる上、通学にかかる移動距離も長くなるため、事故に遭う確率が高まっているのでは」とみる。

 こうした状況も踏まえ、県警は若年層のヘルメット着用率向上に力を入れてきた。若者の目に入るようにインスタグラムやX(旧ツイッター)に着用の重要性を訴える動画を投稿。高校の入学説明会などに警察官が赴き、着用を呼びかけている。また、自転車の安全利用に取り組む学校を昨年から「自転車安全利用モデル校」として指定。生徒が模範を見せることでヘルメット着用を含めた交通ルール順守を市民に広めるのが狙いだ。

 今年指定を受けた青森市の荒川中学校(斉藤直樹校長)は、全校生徒の約3割に当たる34人が自転車通学。ヘルメット着用や自転車保険加入を義務付けている。成田裕哉さん(3年)は「車が死角から飛び出してきて、ひやりとした経験がある。ヘルメットをしていると安心感がある」と話す。

 県でも「#チャリメット(チャリに乗るならヘルメット)」のキャッチフレーズを掲げ、広報活動などを強化。21日からの秋の全国交通安全運動に合わせ、ホームセンターなどと連携し、店内にヘルメットや反射材を取り扱うコーナーを設けるという。

 昨年は一時、品不足となった自転車店。今年はメーカー側の供給が追いつき商品がずらりと並ぶ。同市の自転車販売店「元木輪店」の元木勇一店長(54)は「街中で着用している人を見かける場面が増えた」と語る。一方で「まだ着けていない人は多い。ヘルメットは“保険”。けがをしてから大切さが分かるのでは遅い」と強調した。