漁港舞台に「早船狂言」 珠洲・蛸島 神社損壊で特設、伝統つなぐ

AI要約

珠洲市蛸島町で250年以上続く石川県無形民俗文化財「早船狂言」が蛸島漁港の特設舞台で上演され、地元住民が大勢詰めかけた。

船頭と艫取りの掛け合いを描いた舞台では、蛸島出身の若者2人が演じ、会場から歓声が上がった。

高倉彦神社の神楽殿が損壊したため、漁港内に舞台を設けられ、祭りを盛り上げた住民らは舞台終了後に喝采を送った。

漁港舞台に「早船狂言」 珠洲・蛸島 神社損壊で特設、伝統つなぐ

 珠洲市蛸島町で250年以上続く石川県無形民俗文化財「早船狂言」が11日、蛸島漁港の特設舞台で上演され、詰めかけた大勢の住民が、蛸島出身の若者2人による掛け合いに歓声を送った。

 出港を渋る船頭に艫(とも)取りが詰め寄る筋書きで、船頭役を櫻田愼太郎さん(21)=東京在住=、艫取り役を北濱翔喜さん(21)=野々市市在住=が演じた。

 例年の舞台だった高倉彦神社の神楽殿は能登半島地震で損壊したため、漁港内に舞台を設けた。北濱さんの父寧(やすし)さん(50)らの漁船7隻のライトが会場を照らした。10日に始まった同神社の秋祭りを締めくくる舞台となり、漁港には町内のキリコ16基のうち5基が担ぎ込まれた。

 住民らは紙吹雪を投げて喝采した。終演後、櫻田さんは「震災を乗り越えて祭りができた。蛸島町は不滅だと思った」、北濱さんは「祭りを開いていただけて感謝しかない」と語った。