生活再建、手厚く支援 補正予算案内示、7月豪雨に幅広く対応

AI要約

県が10日に県議会各会派に内示した2024年度一般会計補正予算案には、7月下旬の記録的大雨を踏まえ、観光振興や被災者の生活再建支援など幅広い施策が盛り込まれた。

家電購入や住宅補修に補助

宿泊費クーポン発行 最上・庄内地域の観光振興へ

被災した中小企業や小規模事業者の施設、設備の復旧に向け、200万円を上限に支援する。復旧費用が1億円以上の場合は特例的に500万円に引き上げる。農林水産関連では農薬や肥料の購入費助成などを行う。

生活再建、手厚く支援 補正予算案内示、7月豪雨に幅広く対応

 県が10日に県議会各会派に内示した2024年度一般会計補正予算案には、7月下旬の記録的大雨を踏まえ、観光振興や被災者の生活再建支援など幅広い施策が盛り込まれた。

家電購入や住宅補修に補助

 住宅被害を受けた被災者の生活再建に向け、生活家電の購入経費を支援する。また、応急仮設住宅の建設を進め、政府の支援対象とならない被災住宅の補修などをサポート。中小企業支援や農林水産関連の災害対策にも当たる。

 対象家電はエアコン(上限額10万円)、洗濯機、冷蔵庫、テレビ(各同6万円)。半壊以上の罹災(りさい)証明を受けた世帯とし、市町村を通じて交付する。補正額は1億9600万円。応急仮設住宅は戸沢村で28戸、鮭川村で8戸建設し、酒田市と戸沢村では賃貸型住宅を提供する。

 国の被災者生活再建支援制度の対象外となる被災者に対し、県は同様に支援金を支給する独自の制度を設けている。全壊(損害割合50%以上)、大規模半壊(同40%台)、中規模半壊(同30%台)の被災住宅で、建設・購入や補修などをする場合に最大300万円を補助する。現時点では鶴岡、新庄、尾花沢、舟形、大蔵、鮭川の各市町村が対象。その他については半壊(同20%台)で20万円、一部破損などで10万円の災害見舞金を支給する。

 被災した中小企業や小規模事業者の施設、設備の復旧に向け、200万円を上限に支援する。復旧費用が1億円以上の場合は特例的に500万円に引き上げる。農林水産関連では農薬や肥料の購入費助成などを行う。

宿泊費クーポン発行 最上・庄内地域の観光振興へ

 被災地域の宿泊施設支援のため、最上・庄内地域を対象に1泊当たり3千円の宿泊費割引クーポンの発行キャンペーンを展開する。1万5千人泊分を用意し、事務経費と合わせて4800万円を予算化した。

 実施時期は12月中旬から来年2月中旬の予定で、年末年始などの繁忙期は利用対象外とする考え。旅行サイトを活用した電子クーポン形式を想定する。施設側の負担軽減に配慮し、既にサイトに登録している施設には新たな手続きが発生しない形になる見込み。

 県の聞き取り調査では、被災から8月末までの宿泊予約分について、両地域を中心に1万5千人を超えるキャンセルが県内で確認された。クーポン発行により同規模の観光誘客を後押しする狙いで、吉村美栄子知事は「被災地の宿泊施設がしっかり回復できるよう応援したい」と話した。