新米高騰4割高…品薄解消見込みも高値継続か「コメ売れなくなるまで続く」 岐阜県内出荷開始

AI要約

2024年の新米価格が高騰しており、需給が逼迫している状況。

岐阜県内では昨年比で4割高い店もあり、10~11月まで価格が安定しない見通し。

農業機械や肥料の高騰もあり、生産者にとっては現在の価格が適正との意見もある。

新米高騰4割高…品薄解消見込みも高値継続か「コメ売れなくなるまで続く」 岐阜県内出荷開始

 スーパーなどの店頭に出回り始めた2024年の新米価格が、高騰している。岐阜県内では昨年に比べて4割ほど高い店も。23年産米から切り替わるタイミングで、コメの需給が逼迫(ひっぱく)していることが原因。今後は主産地から出荷が本格化し、品薄状態は解消される見通しだが、新米価格は昨年より割高となる公算が大きい。

 県内のコメ販売関係者によると、小売価格は昨年比で4割高前後の高値傾向にある。24年産米の作況は平年並みと予想され、いずれ品薄状態は解消されるとみられるが、新米の刈り取りが進み銘柄が出そろう10~11月までは楽観はできないとし「今の価格水準は、コメが売れなくなるまで続くだろう。需給バランスを注視する必要がある。もう少し値下がりした状態で安定するとよいが」と話す。

 「現在店に並ぶ新米は、コメが不足していた時期に高値で取引されたもの。いくら量が出回っても当面価格は下がらないだろう」とみるのは、海津市の農業会社役員。

 同社では、8月初めに収穫を始めたあきたこまちの卸値が昨年の3割高となり、連動して他の銘柄の価格も上がっている。7月の記録的な暑さやカメムシの虫害などを受け、主食米としての収量は昨年より1割ほど少ないといい「別の銘柄の収穫が始まれば価格は落ち着いてくるが、店頭にコメがない状態が続くと高値は長引く」とみている。

 ただ、肥料や燃料の価格が高騰し、農業機械も高額になっている現状を踏まえると「逆に今までが低すぎた。農業を持続させていくためにも、生産者にとっては現在の価格の方が適正」と複雑な思いを語った。