無線連絡から運転操作まで　一畑電車が全国初　営業用の線路で運転体験会開催へ（島根・松江市）

鉄道の話題です。松江市と出雲市を結ぶ一畑電車では、駅の構内で本物の車両を運転できる体験イベントが＠年前から開催され、人気を集めています。この運転体験会が、９月２１日から全国の鉄道で初めて、実際に列車が走る線路を使って行われることになりました。先日、報道関係者向けの体験会が開かれ、TSKの新人・岡本アナウンサーが一足早く、挑戦しました。

岡本楓賀アナウンサー：

「保育園時代、将来の夢が、電車そのものになることでした。新人アナウンサーの岡本楓賀です」

夢は「電車そのもの」！？アナウンサーになってまもなく半年、６月には「一日駅長」を体験、その夢に向かって歩みを進めるTSKの新人・岡本楓賀アナウンサー。今回はさらに前進、挑戦するのは、電車の運転です。９月７日午後９時、一畑電車の松江市側の始発駅、松江しんじ湖温泉駅。すでにこの日の運行は終わっていますが…。

岡本楓賀アナウンサー：

「今回は報道関係に特別に、一畑電車の本線を使った電車の運転体験ができるということで、早速夢を叶えて行きたいと思います」

一畑電車では２００１年から、昭和初期に作られた国内で最も古いクラスの電車「デハニ５０形」を使った体験運転会を開いていて、人気を集めています。通常の体験会は、出雲市の雲州平田駅にある車庫内の線路で行われていますが、一畑電車では「こだわり運転体験会」として、９月２１日から、実際に営業で使われる線路で運転を体験するイベントを始めることにしました。営業用の「本線」を使っての運転体験イベントは、全国の鉄道で初めてだということです。

一畑電車・石飛貴之取締役：

「何か他社とは違うことをしてお客様を集めようと、こうしたイベントに参加いただくことで、鉄道に興味を持っていただいて、一畑電車を利用していただけるというところにつなげたい」

本番を前に報道関係者向けの体験会が開かれました。

岡本楓賀アナウンサー：

「いよいよ次は私の番ということで、完璧な運転を見せたいと思います」

車両の装備や基本的な操作などについて講習を受けたあと、運転席に。「電車になる」幼いころの夢に一歩前進…！？です。プロの運転士に見守られながら、岡本運転士、まずは。

岡本楓賀アナウンサー：

「運転指令、運転指令、こちら松江しんじ湖温泉２番線、入換車両です。２番線から1番線へ入信どうぞ」

運転手：

「今信号が変わります」

岡本楓賀アナウンサー：

「斜めになりました」

「運行指令」と連絡を取ると、信号が「出発」に。

岡本楓賀アナウンサー：

「出発進行！今がニュートラル。あ、前に進みました。すごい、重い機体を動かしているんですね、ここで」

電車を動かすのは、運転席にある一本のレバー。手前に引くと加速、押すとブレーキがかかります。一見簡単そうですが、車両の重さは約７０トン、重さも大きさも、乗用車を運転する感覚とは大きく異なります。松江しんじ湖温泉駅から、実際の線路の約２５０ｍの区間を往復。運転士になりきることができる、まさに「夢」の企画です。

運転士：

「オフです」

岡本楓賀アナウンサー：

「オフ！１５キロ」

今度は停車、決められた位置ぴったりに止めなくてはなりません。レバーを巧みにあやつり、スピードを調節、タイミングを見計らってブレーキをかけます。

岡本楓賀アナウンサー：

「まだですか？」

運転士：

「はい、１に入れましょう」

岡本楓賀アナウンサー：

「すごいスピードが弱まった」

運転士：

「ちょっとニュートラルにしましょう」

岡本楓賀アナウンサー：

「完璧にとまります！ここだ！」

目標の少し手前でしたが、無事、停めることができました。

岡本楓賀アナウンサー：

「何点ですか、これは」

運転手：

「８０」

岡本楓賀アナウンサー：

「１００ではなかったですか」

営業用の本線で運転するためには、専用の免許が必要ですが、この体験会では線路を一時封鎖、他の列車が進入しないようにしたうえで、線路上に安全装置を追加、体験中は保安員も線路周辺に配置して安全を確保、一般の人が運転できるようにしました。夢の体験を終えて岡本アナは。

岡本楓賀アナウンサー：

「緊張で頭が真っ白になりました。安全運転ができたのでよかったです。プロの方は改めてすごいと思いました」

このこだわり運転体験会は、過去２年以内に、プレミアム体験運転に参加した人が対象で、参加費は１回１０万円、毎月１回程度開催されるということです。