「できるスポーツは限られていた。ただチャレンジしたい」全盲スプリンター白濱顕子さん 競技開始1年で日本記録更新

AI要約

山梨県内でパラ陸上の日本記録が生まれた白濱顕子さんのストーリー。

白濱さんの競技復帰と記録更新の背景。

白濱さんの今後の目標と全国大会への出場。

「できるスポーツは限られていた。ただチャレンジしたい」全盲スプリンター白濱顕子さん 競技開始1年で日本記録更新

12日間にわたって行われたパリ・パラリンピックが閉幕しましたが、山梨県内でこの夏、パラ陸上の日本記録が生まれたことをご存じでしょうか?

甲斐市に住む全盲のアスリートが女子100mで新記録を出しました。

7月に甲府市緑が丘ふじでんスタジアムで行われた甲府市選手権で、13秒43で日本記録を更新(T11)したのは、甲斐市の白濱顕子さん43歳です。

白濱さんは駿台甲府高校で陸上の短距離に打ちこみ、卒業後は競技から離れていました。そしておよそ10年前、網膜色素変性症という病気で視力を失いました。

白濱顕子さん:

「子育てもあったり目も見えなくなったので、できるスポーツは限られていた。ただいろいろチャレンジはしたいと思っていて」

夫・公博さんらと一緒に甲府市の陸上競技クラブで練習している白濱さん。

パラスポーツを始めたのは去年です。

そのきっかけは…

白濱顕子さん:

「視覚障害者のタイムが日本記録だったらこれくらいと娘たちが調べてくれて、もしかしたらいけるかもと、すごく貪欲な厚かましい気持ちでやってみたいという気持ちがスタート」

去年6月、県のスポーツ協会の紹介で伴走者の由井玄太さんと出会い、この1年で一気に記録を伸ばしました。

伴走者 由井玄太さん:

「自分もシドニーパラリンピックを見て、いつかこういう選手にガイド、サポートできればと思い描いていて」

白濱さんの武器は由井さんと息を合わせたスタートダッシュです。

陸上競技クラブ タイプアール 矢ヶ崎哲夫代表:

「(白濱さんは)感覚がすごく良くてセンスあると思う。2人があの勢いで出られるのはすごいこと」

7月21日、白濱さんはパラスポーツ開始からわずか1年で日本記録を出しました。

白濱顕子さん:

「チームのメンバーが分け隔てなく障害があるとか関係なく関わってくれることが普段の練習につながっている」

「日本記録を出せてもまだ(世界では)まだ全然通用しないので、貪欲に上を目指してやっていきたい」

「世界に向けて参加標準記録に入っていけるよう自分を仕上げていきたい」

白濱さんは今月、香川県で行われる全国大会に出場します。

日本記録更新が期待されます。