1000年に一度の大雨に備えて"かさ上げ"も 三島市の新庁舎候補地決定「災害が起きた時に迅速に行動」県内で防災視点の移転進む

AI要約

三島市が老朽化した市役所の庁舎を新たに南二日町広場に移転する計画。洪水対策のために1.4mかさ上げを行い、災害時に迅速な対応が可能となる。

他自治体と同様に防災対策を重視し、庁舎の移転を実施している。街中の活性化も視野に入れ、市民の利便性を向上させる取り組みも行われる。

2031年度中の供用開始を目指し、基本設計など段階的に整備を進めていく予定。

1000年に一度の大雨に備えて

老朽化した市役所の庁舎を新たにどこにどうやって建てるのか。静岡県内の自治体で、防災対策を踏まえた庁舎の整備がここ数年進んでいます。このほど、静岡県三島市は浸水被害を受けない構造を考え、新たな庁舎の候補地を決めました。

<静岡県三島市 豊岡武士市長>

「新庁舎の整備地案は『南二日町広場』とし、市議会の委員に提案をしました」

現在の三島市役所本庁舎はすでに築64年が経過し、老朽化が進んでいます。また、市の中心部に複数の庁舎別館などが分散していることから、市民の利便性向上や事務の効率化も課題でした。

新たな庁舎の候補地には2つの案がありましたが、市民会議や市議会の提言、市民アンケートなどの結果を踏まえて、現在の本庁舎の1キロほど南にある「南二日町広場」に移転する案に決定しました。 

<青島悠記者>

「三島市役所の移転先です。洪水対策のため、大人の胸の高さと大体おなじくらい1.4mかさ上げする予定です」

南二日町広場は1000年に一度の大雨で浸水する可能性があるエリアにあります。そのため、新庁舎はかさ上げをして被害を受けない構造を目指します。

<静岡県三島市 豊岡武士市長>

「(南二日町広場は面積が広く)多くの災害が起きた時に支援に駆けつけてくださる皆さん方が活動しやすくもなる。迅速に行動できるようになるという風に考えております」

最近の自治体庁舎の移転では、津波の被害を想定し、静岡県焼津市が窓口などを2階以上にしたり、下田市が内陸部にある元学校の校舎を再利用したりした例があります。

<静岡県三島市 豊岡武士市長>

「何よりも市民の皆様が使いやすい庁舎となるよう事業を進めていく考えでございます。今後、新庁舎整備と並行し、さらなる街中のにぎわい創出につながるよう、跡地の有効活用を図ってまいります」

三島市は市議会に基本構想を報告し、2025年度以降に基本設計に入り、およそ7年後の2031年度中の供用開始を目指しています。