静岡県内、1日午前にかけ線状降水帯発生の恐れ 土砂災害に厳重警戒【台風10号】

AI要約

台風10号が進行中で、静岡県内に大雨被害が発生している。県内の住宅に浸水害が起き、交通機関にも影響が出ている。

静岡地方気象台は線状降水帯や土砂災害に警戒を呼びかけており、大気が不安定な状況が続く見込み。

雨量の記録的な数値が報告され、公共交通機関の運行にも支障が生じている。

 台風10号は31日、紀伊半島の南海上を東南東に進んでいる。1日ごろにかけて西日本を東に進み、その後熱帯低気圧に変わる見込みだが、湿った空気が流れ込むため、大気が不安定な状況が続く。静岡県内は1日午前にかけて線状降水帯が発生する可能性がある。県や静岡地方気象台はこれまでの記録的な大雨の影響で地盤が緩み、土砂災害への厳重な警戒を呼びかけている。

 気象庁によると、31日午前11時50分時点で熱海市網代の72時間雨量が観測史上最大の512・5ミリ、24時間雨量は196・5ミリ。降り始め(26日午後5時)から31日午前5時までの降水量は、伊豆市天城山で722・5ミリ、静岡市駿河区で608・5ミリなどを観測した。静岡地方気象台によると、31日に予想される1時間降水量は県内の多い所で60ミリ。同日午前6時から1日午前6時までに予想される24時間降水量は県内の多い所で300ミリという。

 県の午前6時までのまとめによると、県内の住宅の浸水害は少なくとも519棟に上る。静岡市では目視などによる調査で数棟が床上、515棟が床下浸水したとみられる。浜松市中央区和地町では土砂災害があり、住宅に倒木が接触して一部損壊した。

 JR東海道線は静岡―掛川間で始発から終日、運転を見合わせている。熱海―静岡間と掛川―豊橋間は始発から本数を減らして運転している。東海道新幹線は東京―三島間について、安全の確認が取れたとして正午ごろ運転を再開した。三島―名古屋間は沿線各地で降り続く雨の影響で、始発から終日、運転を見合わせている。1日は始発から三島―名古屋間で終日運転を取りやめ、東京―三島間と名古屋―新大阪間で大幅に本数を減らして運転する。