【台風10号】静岡・和田川で氾濫の可能性/29日夜から線状降水帯発生の恐れも/最接近は1日以降か

AI要約

29日に九州に上陸し、ゆっくりと東北東に進む台風10号は、静岡県に接近。土砂災害の危険性が高まり、雨量が増える見込み。

県内各地で土砂災害警戒情報が発表され、公共交通機関にも影響が出ている。学校も休校が相次いでいる。

道路の冠水や家屋の浸水被害が報告され、交通機関や公共施設に影響が出ている状況。

【台風10号】静岡・和田川で氾濫の可能性/29日夜から線状降水帯発生の恐れも/最接近は1日以降か

 29日に九州に上陸し、ゆっくりと東北東に進んでいる台風10号は、9月1日から2日ごろに静岡県に接近する見通し。台風の接近に伴い雨量は今後さらに増える見込みで、29日夜から30日昼前にかけて線状降水帯が発生する恐れがある。県西部の一部で降り始めからの雨量が400ミリを越え、土砂災害の危険性が高まっている。静岡市は29日夜、和田川(清水区)で氾濫した可能性があるとして、周辺住民に緊急安全確保を一時発表した。中西部を中心に各地で道路の冠水や家屋の浸水被害も相次いだ。

 気象庁の観測によると、29日午後9時までの72時間降水量は御前崎市で466ミリ、浜松市中央区で463ミリ、磐田市で462ミリでいずれも観測史上最大。県と静岡地方気象台は中西部の10市町以上に土砂災害警戒情報を発表した。同気象台によると、30日も断続的に降雨が予想され、24時間雨量は県内全域の多いところで300ミリと予測した。

 JR東海道線は29日、大雨が予想されるとして、静岡―掛川間を上下線で終日運転を見合わせた。他県内区間も始発から本数を減らして運転していが、順次運転見合わせ区間を広げた。東海道新幹線は同日午後4時ごろ、雨量計が規制値に達し、静岡―掛川間の上下線で運転を見合わせた後、午後7時ごろまでに全線で運転を取りやめた。30日の東海道線の運転計画は、富士―掛川間の上下線で終日運転を見合わせて、掛川―豊橋間と熱海―富士間の上下線で本数を減らす予定。東海道新幹線は始発から三島―名古屋間で終日運転を取りやめる。

 中日本高速道路は29日午後6時ごろから東名高速道の上下線で静岡インターチェンジ(IC)―焼津IC間で通行止めを開始した。30日以降も降雨の状況によって県内の広い区間で通行止めになる可能性がある。

 県教委などによると、県内では公立小中高、特別支援学校、義務教育学校計54校が休校した。

 焼津市では29日午後5時ごろから道路の冠水が相次いだ。同市八楠では約60センチの冠水が報告され、同7時ごろには国道150号八楠交差点付近に立ち往生した車が複数台確認された。同市焼津や本町などで床下浸水が発生したとの情報も市に寄せられた。