ノロノロ?迷走?台風10号に関する3つの「ナゼ?」…気象予報士が答える
台風10号がゆっくり進む理由は、太平洋上の寒冷渦との影響。この珍しい現象により、台風の進路が乱れた。
東海道新幹線が運休した背景には日本の気象状況の複雑さがあり、台風からの風と大気の不安定さが影響した。
大阪では台風は熱帯低気圧に変わりつつあり、風が収まる一方で雨が強くなる可能性がある。適切な備えが必要。
福谷アナウンサー:ここからは気象予報士の清水さんにお伝えしてもらいます
清水気象予報士:はい。きょうは今回の台風についてみなさんがおもっているであろう疑問にお答えしていきたいと思います。こちらです。
1つめ、なんでこんなにゆっくりと進んでいるのか。
2つめ、まだ台風が九州にいるのに、東海道新幹線が運休したのか。
3つめ、これから大阪はどうなるのか。
福谷:どれも気になりますね
清水:きょうはこれらの疑問を紙芝居でわかりやすくお伝えしたいと思います。
まずゆっくり進んでしまった理由は、太平洋上空にあった「寒冷渦」が台風10号と手を取り合うように結びついてしまったんです。この絵のように「寒冷渦」と台風は反時計回りの空気の流れをもっていたので、うまいこと手を取り合うようになってしまったんですね。
福谷:こんなことあるんですね。わたしも去年気象予報士になったんですが、試験にはこんな事例はでてこなかったです。
清水:本当に珍しいです。そうこうしているうちに、台風がいつもは乗る偏西風に乗り遅れてしまったんです。当初の予想では27日火曜日に大阪付近にやってくる予想でしたので、これほど迷走するというのは驚きました。
清水:さて、2つ目の疑問、まだ台風は九州にいるのに、どうして東海道新幹線が運休しているのか。です。
福谷:新大阪―広島間は動いていますもんね
清水:じつは日本の南側に太平洋高気圧がいたんです。その高気圧の縁を回るように台風からの湿った南よりの風が吹きました。さらに日本海側に前線がいたことで、大気の状態がより不安定になり、ちょうど風が集まったところの愛知県や東京で大雨になったということなんです。
じゃあ、中国地方や大阪はどうだっなったのか。四国や紀伊半島の山で南東の風がせき止められ大雨にはならなかったんです。
清水:では最後にこれから大阪はどうなるか。予想では、大阪へ近づくころには台風から熱帯低気圧へと変わっていくと思います。風はおさまっていきますが、雨は強くなることも予想されますので、十分な備えが必要です。