台風10号、各地で記録的大雨 78人負傷、住宅180棟に被害

AI要約

台風10号が九州を襲い、様々な被害が発生。愛知県や徳島県で死亡者が出たほか、鹿児島県でも行方不明者がでた。首都圏では記録的な大雨が降り、被害が拡大。

全国で78人の負傷者が確認され、180棟の住宅が損壊または浸水。埼玉、神奈川、大分の一部地域では緊急安全確保が発令された。

交通ダイヤが乱れ、新幹線は30日終日運休。気象庁によると、台風10号は近畿地方周辺で熱帯低気圧に変わる見込み。

台風10号、各地で記録的大雨 78人負傷、住宅180棟に被害

 台風10号は30日、ゆっくりとした速さで九州を東へ進んだ。同日未明にかけ風速25メートル以上の暴風域はなくなり、台風は勢力を徐々に落としているものの、全国各地でも湿った空気の影響を受け、記録的な大雨による冠水被害が相次いだ。

 住宅1棟が土砂崩れに巻き込まれた愛知県蒲郡市では男女3人の死亡が確認されたほか、徳島県でも民家の屋根が落下して80代の男性が死亡した。鹿児島県では、係留中だった小型船の船長の男性(64)が行方不明となった。

 30日午前8時までの12時間で東京都八王子市245.5ミリ▽静岡県伊豆市224.0ミリ▽埼玉県所沢市221.5ミリなど、台風本体から離れた首都圏を中心に降水が強まった。

 総務省消防庁の30日午前8時現在のまとめによると、全国で78人の負傷者が確認され、突風による損壊や大雨による浸水の被害を受けた住宅は180棟にのぼった。埼玉、神奈川、大分の6市町では計約9万人を対象に警戒レベルの最も高い「緊急安全確保」が一時発令された。

 交通ダイヤも大幅に乱れており、東海道新幹線は東京―名古屋間で、山陽新幹線は広島―博多間で、九州新幹線は全線で、それぞれ30日は終日運休する。

 気象庁によると、台風10号は勢力を徐々に弱めており、2日未明までに近畿地方周辺で熱帯低気圧に変わる見込み。