津軽三味線といえば青森の伝統音楽だが…全国トップクラスの名手が南国・種子島にいた

AI要約

教員として活躍する津軽三味線プレーヤー、椎木彩菜さんの実績と情熱について。

津軽三味線の特性や演奏技術について。

地域や子どもたちとの関わり、日本の伝統音楽の普及活動について。

津軽三味線といえば青森の伝統音楽だが…全国トップクラスの名手が南国・種子島にいた

 青森県の伝統音楽、津軽三味線で全国トップクラスの腕前を誇る教員が鹿児島県西之表市にいる。上西小学校の音楽講師の椎木彩菜さん(25)。緩急を付けたメロディーとバチさばきは聞き手を引き込み、地域行事にも引っ張りだこだ。「日本ならではの楽器の魅力を知ってもらいたい」と話す。

 2月の全国津軽三味線コンクール大阪大会で、初めて一般女性の部を制した。7月の全日本津軽三味線競技会名古屋大会は、男女混合でアマチュア主体のB級で3位入賞した。

 津軽三味線は楽譜がなく即興性が重視され、想像力と高い技術が求められる。バチで弦をはじくとともに、太鼓部分もたたいて拍子を取り、スピーディーで迫力ある演奏が醍醐味(だいごみ)だ。

 椎木さんは両大会で、5大津軽民謡と呼ばれる中から「じょんがら節」をアレンジ。「種子島らしく台風や海をイメージし、音の強弱やメロディーの緩急を意識した」という。

 西之表市住吉出身。津軽三味線との出合いは、幼い頃に夏祭りで見た舞台だった。鹿児島国際大学、大学院では声楽を専門に学んだ。全国大会出場は6年ぶり。種子島高校時代に2年連続準優勝はあったものの、優勝は初めてだった。「一緒に会場にいた母と涙を流すほどうれしかった」と振り返る。

 昨年は種子島中、今年から上西小に籍を置き、市内8校で音楽を担当する。子どもたちに演奏をせがまれることもしばしば。「実物に触れる機会はなかなかない。関心を持つきっかけになれば」と話す。