静岡市役所清水庁舎部局移転へ 津波避難場所を確保

AI要約

静岡市は南海トラフ巨大地震の津波浸水想定区域に建つ市役所清水庁舎での来庁者の避難スペース確保のため、一部部局を移転させる方針を決定した。

清水庁舎は耐震性能の改善が必要となり、津波避難のための5階以上の避難指定がされることとなった。

移転先として市消防局葵消防署の活用が検討され、関連する補正予算案にも事業費が盛り込まれる。

静岡市役所清水庁舎部局移転へ 津波避難場所を確保

 静岡市は23日までに、南海トラフ巨大地震の津波浸水想定区域に建つ市役所清水庁舎で来庁者の避難スペースを確保するため、庁舎内にある一部部局を2025年度の早い時期に移転させる方針を固めた。移転先として市消防局葵消防署(同市葵区)の活用を検討する。9月17日開会の市議会9月定例会に提出予定の24年度一般会計補正予算案に1億円規模の事業費を盛り込む。関係者への取材で分かった。

 清水庁舎を巡って市は4月、南海トラフ地震の余震で倒壊する危険性があるとの耐震診断結果を発表した。これを受け、津波避難ビルの指定を解除する方針を決めた一方、清水庁舎の消防計画を改定し、大津波警報か津波警報発表時、低層階と比べて耐震性能が高いと判定された5階以上に来庁者を避難誘導すると定めた。改定前は3~9階への避難を呼びかけていた。

 避難スペースは5階を想定し、フロア全体を活用する方針。清水庁舎では経済局、子ども未来局、教育委員会などの部局が執務していて、どの部局を移転させるかは今後決定する。葵消防署は静岡地域の消防救急広域化に伴い、15年に市消防局の本部機能が同市駿河区の新庁舎に移ったため、執務スペースに余裕が生じていた。