廃棄予定輪島塗販売で被災地支援 栃木・足利「結の里」が27日 収益金を復興に寄付

AI要約

一般社団法人「結の里」が能登地方の被災地で廃棄予定の輪島塗の漆器を洗浄し販売する活動を始めた。

SAVE IWATEからの協力を受け、古い漆器を傷や汚れからきれいにし、名草ふるさと交流館で販売する。

漆器の収益金は譲渡元への復興支援金として寄付される。販売は8月末から9月中にかけて行われる。

廃棄予定輪島塗販売で被災地支援 栃木・足利「結の里」が27日 収益金を復興に寄付

 文化や芸術などを通じた交流の場の創出に取り組む栃木県足利市の一般社団法人「結の里」は、能登半島地震の被災地で廃棄予定となっている輪島塗の漆器を引き取って洗浄し、販売する活動「輪島塗販売プロジェクト」を始めた。収益金は経費を除き、漆器の譲渡元へ復興支援金として寄付する。

 石川県の能登地方では多くの家庭で輪島塗の漆器を所有し、祭りやお祝いの場などで使用してきた。しかし、地震で住宅や倉庫が倒壊して漆器を保管する場所が十分に確保できず、処分せざるを得ない家庭が多いという。

 そのような中、被災地支援活動を行う盛岡市の一般社団法人「SAVE IWATE(セーブ・イワテ)」が漆器の回収と販売を開始。結の里代表の木村克子(きむらかつこ)さん(55)が同法人の取り組みに賛同し、活動を始めた。

 先月末、SAVE IWATEの寺井良夫(てらいよしお)理事長(67)らが、汁わんや飯わんなどのセットが五つずつ入った木箱約45箱を同県珠洲市などから回収し、足利に届けた。中には江戸や明治、大正時代から使われてきた古いものもあるという。これを結の里が受け取り、団体メンバーや夏休み中の子どもたちが協力して傷や汚れの点検、洗浄などを行いきれいにした。

 漆器は27日午前11時から、名草上町の名草ふるさと交流館で販売する。わん類とお膳をまとめたセット100個を、保存状態が良いものは5千円、傷のあるものは3千円で販売する。ばら売りも行う予定で、保存状態の良いふた付きのわんは2千円、傷のある漆器などは300円から。また、この日はSAVE IWATEが被災地で撮影した写真のパネル展示も行う。8月の販売は同日のみ。

 9月中は毎週月、火曜に田島町の北郷農産物加工所で販売するほか、同16日午前10時から、同所で開かれる「結まるしぇ」内でも販売を行う予定。木村さんは「実際に漆器を手に取って輪島塗の温かみを感じていただき、被災地へ思いを寄せてほしい。今後も漆器の回収と販売を続けていきたい」と話した。