トヨタが協力、電動シニアカー試乗会 長野県富士見町と社協

AI要約

長野県富士見町で電動シニアカーの試乗会が行われた。移動手段としてシニアカーの導入を検討しており、町や社協の職員らが参加して将来の導入に向けた課題を議論した。

シニアカーは高齢者や運転免許を返納した人が利用することを想定しており、安心の走行サポート機能を備えている。バッテリー満充電で約12キロ走行可能で、乗り心地や安全対策を試乗者が体験した。

町の担当者は歩道整備や安全対策など課題があるとし、今後の導入に向けて解決策を考える必要があると述べた。栁澤さんもシニアカー導入は高齢者の移動を促し、生きがいにつながる活動への参加を容易にすると期待した。

トヨタが協力、電動シニアカー試乗会 長野県富士見町と社協

 長野県富士見町と町社会福祉協議会は21日、高齢者の移動手段として、法的に歩道の走行が可能な電動シニアカーの試乗会を町内で行った。町や社協の職員と、協力するトヨタ自動車(愛知県豊田市)の社員ら約30人が参加。実際にシニアカーを走らせて乗り心地を確かめ、将来の導入に向けた課題を出し合った。

 シニアカーの導入は、町が昨年度実施した「住み続けられる福祉のまちプロジェクト研究」で、研究員を務めた社協職員栁澤宏貴さん(34)が提唱。運転免許証を返納した高齢者などが外出の際、近距離の移動手段としてシニアカーを使い、自らの運転で買い物や通院を容易にすることを目的にしている。

 試乗会では同社製のシニアカー「C+walk(シーウオーク)」の立ち乗りと座り乗りの2タイプを用意。座り乗りはバッテリーを満充電すると約12キロ走行できる。速度は時速1~6キロを1キロ単位で調節でき、人や障害物の近く、下り坂では自動で減速する安心サポート機能も搭載している。

 この日は高齢者や職員が試乗。路面の段差などを通過する際の乗り心地を体感した。町担当者は「実際の導入を考えた場合、シニアカーに乗ったことのない人への安全対策や歩道の整備、ルートなど課題が山積する。今後課題の解決策を考えたい」と話した。

 栁澤さんは「町の中心部へは公共交通で来られるが、シニアカーはそこから先の移動に使えたら。高齢者が自ら移動することで、自分の生きがいにつながる活動への参加も容易になる。心身の健康が維持できるような環境整備につなげたい」と期待した。