「長距離ミサイルの配備は戦争を誘発する」 台湾有事をテーマに沖縄市で意見交換会 全国の市民運動と連携へ

AI要約

沖縄市民会館で開催された報告・意見交換会では、日米両政府の戦争準備に対する懸念が共有され、全国の市民運動の連携が訴えられた。

石垣島やうるま市などから現状報告が行われ、島外避難計画やミサイル配備などに対する批判が示された。

市民団体や個人から連携を強化し、対話と外交を重視して平和を実現する共同声明が発表された。

「長距離ミサイルの配備は戦争を誘発する」 台湾有事をテーマに沖縄市で意見交換会 全国の市民運動と連携へ

 「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」は11日、沖縄市民会館で台湾有事に反対し「沖縄・九州・西日本から全国に広がる戦争準備」をテーマに報告・意見交換会を開いた。石垣、うるま、大分、広島、京都、愛媛などの市民運動のリーダーから報告があり、日米両政府が進める戦争準備の軍備強化に歯止めをかけるため、全国の市民運動の連携を目指すことを確認した。

 石垣島の平和と自然を守る市民連絡会の藤井幸子さんは、政府が進める島外避難計画について「福岡や山口に避難できたとしても、そこが戦場になる恐れがある。全員が避難できるわけがなく、避難できたとしても悲惨だ。全国がつながって戦争準備を止めないといけない」と訴えた。「自衛隊基地が次々と拡大強化され、生活環境が破壊されようとしている」と与那国や石垣島の現状を報告した。

 ミサイル配備から命を守るうるま市民の会の照屋寛之さんは「長距離ミサイルの配備は、中国を刺激するだけで戦争を誘発する危険性が高い」と指摘した。

 大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会の池田年宏さんは「大分の弾薬庫建設は沖縄のミサイル連隊と直結している。住宅密集地に弾薬庫を造るのは国際人道法違反だ」と訴えた。ピースリンク広島・呉・岩国の新田秀樹さんは、宮古島や石垣島への弾薬輸送を担った呉基地周辺の機能強化の動きを説明した。

 フロアから発言した戦争準備に反対する首都圏反基地交流会の高瀬晴久さんは「沖縄や西日本の仲間と共に全国に連携を広げる役割を果たしたい」と述べた。嘉手納基地爆音差し止め訴訟原告団長の新川秀清さんも連携のあいさつをした。

 集会では県内外7団体が、市民が連帯して「国家のための戦争」を阻止し、対話と外交の力によって東アジアの平和実現に努力するよう政府に求める共同声明を発表した。(社会部・知念清張)