「戦争は人間性を破壊」農林健児之塔で慰霊祭 同窓生ら、世界で続く対立に警鐘 沖縄・嘉手納

AI要約

嘉手納町は終戦記念日に戦前の県立農林学校の生徒や教師を追悼する慰霊祭を行った。鉄血勤皇隊として動員された生徒や教職員500人余の名前が刻銘された農林健児之塔で、同窓生や町関係者が参加し、戦争の悲惨さに改めて思いを馳せた。

同窓生の瀬名波栄喜さんは現状を戦前に重ね、「戦争は文明を破壊する」と警鐘を鳴らした。追悼のことばを予定していた渡口彦信さんの欠席で、副町長が戦争を避ける重要性を訴えた。

世界情勢や自衛隊南西シフトに触れ、「戦争は絶対に起こしてはならない」というメッセージを伝える式典だった。

「戦争は人間性を破壊」農林健児之塔で慰霊祭 同窓生ら、世界で続く対立に警鐘 沖縄・嘉手納

 【嘉手納】嘉手納町は終戦記念日の15日、戦前の同町にあった県立農林学校の生徒や教師らを追悼する農林健児之塔(同町嘉手納)で慰霊祭を開いた。同校生徒は鉄血勤皇隊として戦場に動員されるなどし、教職員も含めて500人余の名前が刻銘されている。慰霊祭には同窓生や町関係者約60人が参加し、二度と悲惨な戦争を繰り返さないと決意を新たにした。

 同窓生だった瀬名波栄喜さん(95)は世界が対立する現状に「第二次世界大戦前と似ている」とし、「戦争は文明・文化、人間性を破壊する」と警鐘を鳴らした。

 同窓生を代表して追悼のことばを予定していた渡口彦信さん(97)が式を欠席したため、比嘉孝史副町長が代読した。戦争が終わらない世界情勢や、沖縄での自衛隊南西シフトにも触れ「戦争はいかなることがあっても起こしてはならないと声をあげるべき」と伝えた。 

(金盛文香)