広島土砂災害間もなく10年、慰霊の祈り込め献花式 安佐南区八木3丁目

AI要約

2014年8月の広島土砂災害から20日で10年になる前に、献花式が行われた。

参列者は犠牲者25人の冥福を祈り、災害の記憶と教訓を新たにした。

広島県は防災・減災対策を推進し、災害に強い地域づくりに取り組んでいる。

広島土砂災害間もなく10年、慰霊の祈り込め献花式 安佐南区八木3丁目

 77人が犠牲になった2014年8月の広島土砂災害から20日で10年になるのを前に、広島市安佐南区八木3丁目の広島県営緑丘住宅にある慰霊碑前で18日、住民主催の献花式があった。遺族や住民、県市の関係者たち約100人が参列。碑に刻まれた犠牲者25人の冥福を祈り、災害の記憶と教訓をつないでいく気持ちを新たにした。

 緑丘住宅自治会と、近くの小原山町内会が主催した。黙とうの後、同自治会の村岡平吉会長(85)が「25人の尊い命を忘れることができない。教訓を胸に声をかけ合い、助け合い、地域の防災力の向上に努めていく」とあいさつ。湯崎英彦知事は「災害に強い広島県の実現に向けてハード整備、ソフト対策の両面からの防災・減災対策を推進していく」と述べた。

 参列者は一人ずつ碑に献花し、手を合わせた。土石流が押し寄せた緑丘住宅に住んでいた夫の西田末男さん=当時(63)=を亡くした妻一代さん(79)は5年ぶりに参列した。「体調不良が続いているが、友達や多くの人に助けてもらっている。何を歌わせても上手だった夫の歌声が聞きたくなる」と話した。

 広島土砂災害は14年8月20日未明、積乱雲が連なる「線状降水帯」による集中豪雨が襲い、各地で土石流や土砂崩れが発生した。安佐南、安佐北両区で災害関連死3人を含む77人が亡くなった。家屋の全壊は179棟、半壊は217棟に上った。

 被災から10年の節目になる20日も各地で追悼行事が開かれる。安佐南区では八木3丁目の梅林小にある慰霊碑前で午前9時に献花台が設けられるほか、緑井7、8丁目でも地元町内会が追悼行事を催す。