公民館を封鎖「お盆、もっと休ませて」 入り口に門松やみこし並べ

AI要約

南箕輪村田畑区で16、17日に住民が区長に盆休みの延長を求める伝統行事「盆正月」が行われた。

住民が田畑公民館に集まり、正月飾りや子どもみこしを置いて封鎖し、区長を困らせたが、楽しみながら行事を行った。

伝統行事は住民の交流の場であり、郷土の文化を子どもたちに伝える機会として重要視されている。

公民館を封鎖「お盆、もっと休ませて」 入り口に門松やみこし並べ

 南箕輪村田畑区で16、17日、住民が区長に盆休みの延長を求める伝統行事「盆正月」があった。16日夜、住民が田畑公民館に集まり、入り口に正月飾りや子どもみこしを置いて封鎖した。子どもたちは「区長が困っちゃうぞ」などと大はしゃぎしていた。

 元々は区長ら区役員の自宅も封鎖する行事だが、コロナ禍などの影響で今年は公民館のみが対象に。16日午後8時40分ごろから、子どもを含む20人ほどが、公民館の倉庫から持ち出した門松、みこし、のぼりなどを並べていった。仕上げとして、石灰で入り口前に「お正月」と書いた。「正月が来たから休ませてほしい」との意味があるとされる。

 17日朝、区長の植田唯雄さん(73)らが公民館を訪れ、封鎖を確認した。植田さんは「こんなものかな」と笑顔を見せた。その後、区役員が片付けをした。

 植田さんによると、住民の多くが農家だった時代、若者が地区役員に農作業の休みの延長を求めたことが起源。「住民が交流する機会になる行事。楽しく続けていければいい」と植田さん。田畑区のPTA会長として「封鎖する側」を取りまとめた耳塚恒司さん(46)は「子どもたちが郷土のことを知る機会になってほしい」と期待していた。