台風接近、混乱や不安 茨城県内 避難住民「怖くて眠れぬ」

AI要約

茨城県内で非常に強い台風7号の接近により、JR常磐線の計画運休が実施され、利用客が足止めされる状況となった。

JR水戸支社によると、特急の「ひたち」を含む列車の運休が相次ぎ、乗客は困惑した様子が見られた。

市民は避難所に身を寄せる中、強い雨と風の中で不安な夜を過ごし、台風への警戒が高まっている。

台風接近、混乱や不安 茨城県内 避難住民「怖くて眠れぬ」

茨城県内は16日、非常に強い台風7号の接近でJR常磐線の計画運休が実施され、利用客が勝田駅などで足止めされた。自宅を離れて避難所に身を寄せた住民は、雨と風が次第に強まる中、不安な夜を過ごした。

JR水戸支社によると、16日は特急の「ひたち」が全線で運休。普通列車も同日午後から勝田-原ノ町駅間の上下線で運転を見合わせた。

JR勝田駅では同日午後1時過ぎ、同駅止まりとなった下り普通列車が到着すると、先へ進めずに困惑した乗客が駅員に問い合わせる姿が見られた。東京都内から帰省途中という女性(30)は「日立まで行きたかったのに」と肩を落とし、「友達に迎えを頼んで車で帰る」と話した。同駅によると、この日の予約を前日に前倒しして帰る人もいたという。

水戸駅周辺では午後6時ごろ、断続的に降る強い雨を避けて駅へ向かう通勤客の姿が見られた。計画運休の実施を知らなかったという女性(26)は「常陸多賀駅まで行きたかったが、水戸で泊まるしかない」と話した。

雨脚が強まる中、県内各地で開設された避難所には、住民が避難。このうち、龍ケ崎市内の自主避難所に避難した女性(78)は「今までにないぐらい大きい台風と聞いた。風が怖くて夜も眠れなくなる。自宅近くに崖があるので崩れるのも怖い」と話した。

鹿嶋市では同日の避難者が100人を超えた。このうち市中央公民館に避難した男性(53)は、自宅近くに倒壊しそうな空き家があり、早期避難を決めたという。男性は「災害が起こらなければいいのだが」と不安そうな表情を浮かべた。隣接する神栖市でも避難所10カ所が設けられ、子ども3人を連れて訪れた女性(40)が「無事に台風が早く通り過ぎてほしい」と願った。

昨年秋の大雨で浸水被害が相次いだ日立市の市立櫛形小には午後4時半現在で5世帯7人が避難。1人暮らしという女性(83)は「自宅は平屋で垂直避難できないので来た。とにかく被害がないように願っている」と話した。

■県内JR 遅延相次ぐ 水戸線・常磐線 停電や倒竹

JR水戸線と常磐線は16日、県内各地で最大瞬間風速10メートル以上の風が吹いた影響などで、運転見合わせが相次いだ。

水戸線新治-友部駅間では午後1時3分ごろに停電が発生。同線は下館-友部駅間の上下線で一時運転を見合わせ、約2時間後に全線で運転再開した。JR水戸支社によると、影響で上下2本が運休し、同3本が最大2時間13分遅れた。

同線福原-羽黒駅間では午後4時4分ごろ、友部発小山行き列車が線路上に倒れていた竹(長さ約20メートル、直径約10センチ)と衝突。同線は上下線で一時運転を見合わせ、竹を撤去。設備などに異常がないことを確認し、同5時過ぎに全線で運転再開した。同支社によると、影響で上下2本が運休し、同4本が最大41分遅れた。

常磐線岩間-羽鳥駅間では午後2時58分ごろ、巡回中の係員が架線に触れそうな木の枝を広範囲で発見。同区間へ向かう途中だった勝田発土浦行き普通列車は隣の友部駅で停車し、同線は上下線で1時間余り運転を見合わせた。同支社によると、影響で特急を含む上下計8本が最大1時間4分遅れた。