琉球王国最高位の神女・聞得大君のかんざし「金銅雲龍文簪」 玉を手に取る2頭の龍が彫金 沖縄県立博物・美術館で9月1日まで公開

AI要約

琉球王国の神女が使用したとされる金銅雲龍文簪が重要文化財に指定され、県立博物館・美術館で一般公開中。

簪は15~16世紀に制作され、聞得大君が儀礼の際に使用したと考えられている。

沖縄戦後に返還され、重要な作品として県の有形文化財に指定された。「金銅雲龍文簪」の展示は9月1日まで。

琉球王国最高位の神女・聞得大君のかんざし「金銅雲龍文簪」 玉を手に取る2頭の龍が彫金 沖縄県立博物・美術館で9月1日まで公開

 国の文化審議会の答申を受け、重要文化財に指定される予定の「金銅雲龍文簪(こんどううんりゅうもんかんざし)」が県立博物館・美術館で一般公開されている。簪は、琉球王国の祭祀(さいし)をつかさどる最高位の神女「聞得大君(きこえおおきみ)」が使用したとされるもので、琉球の金工品の中でも特筆すべき重要な作品とされている。

 答申後の一般公開は県内では初めて。簪は重要な儀礼の際に聞得大君が挿したと考えられており、15~16世紀に制作されたとみられている。

 長さは28・3センチで「カブ」と呼ばれる頭部と茎部から構成される。カブ径は10・8センチで玉を手に取る2頭の龍が彫金されており、茎部には王家由来の品々に見られる「天」の字が刻まれている。

 沖縄戦による混乱の中、米軍の手によって米国に持ち出されたが、1953年に「おもろさうし」とともに返還された。56年には県の有形文化財に指定されている。

 一般公開は9月1日まで。観覧料は一般530円、高・大学生270円、県外小・中学生150円。70歳以上と県内小・中学生、障がい者手帳を持っている人と介助者1人は無料。

 毎週月曜休館(祝日の場合は翌平日が休館)。

(社会部・知念豊)

(写図説明)展示されている「金銅雲龍文簪」。頭部の頂上に太陽を表す渦を表現、周囲は雲、側面に龍と波を表している=県立博物館・美術館