「触れる博物館」の先駆け 古墳の町・西都市の考古博物館で特別展「海がつなぐ古代世界」縄文時代から続く多様な海洋文化とは

AI要約

西都原考古博物館では2024年で20周年を迎え、特別展「海がつなぐ古代世界」が開催されており、縄文時代の海の文化に焦点を当てている。

展示では長崎県の西海地方と宮崎県からの出土品を通じて、縄文・弥生時代の漁の方法や暮らし方を知ることができる。

博物館の取り組みや展示内容は常に刷新され、来場者に実物に触れる体験を提供している。

「触れる博物館」の先駆け 古墳の町・西都市の考古博物館で特別展「海がつなぐ古代世界」縄文時代から続く多様な海洋文化とは

2024年で20周年を迎える西都原考古博物館では、縄文時代の海の文化を学べる特別展「海がつなぐ古代世界」が開かれている。長崎県の対馬、西海、そして宮崎の出土品から、縄文・弥生時代の人々の漁の方法や暮らし方を知ることができる。

まずは長崎県の西海地方。

こちらの石でできた銛を使ってあるものを獲っていたそうだが、あるものとはなんだろうか?

西都原考古博物館 学芸普及担当 松本茂副主幹:正解は…鯨。この遺跡でイルカやクジラの骨が出ているため、この石銛でクジラを獲った可能性を考えている。

遺跡近くにはクジラが通る海峡があり、浅くて狭く船で近づきやすい地形を生かしてクジラを獲っていたと考えられている。

続いては宮崎県。同じ九州でも宮崎と長崎では全く違い、宮崎の縄文人が使っていたのは石だという。どうやって使うのだろうか?

西都原考古博物館 学芸普及担当 松本茂副主幹:この石はよく見ると、端と端を打ち欠いた加工がされている。網に括り付けられて、網の錘として使われたと考えられる。網を使って、タイやスズキなどクジラやイルカよりも小さな魚を獲っていたと考えられる。

宮崎は、この石の錘の出土が九州の中で最も多い。

また、長崎県対馬では沿岸部から銅矛が出土していて、朝鮮半島との間に「結界を張る」という意味で銅矛を埋めたと考えられている。

西都原考古博物館 学芸普及担当 松本茂副主幹:展示されているものから色々想像してもらい、当時の暮らしをイメージしてもらえると良いと思う。

開館20周年となる西都原考古博物館は、博物館の一般的な考えを覆す「新しい展示」に取り組んできた。

開館当初から常設展示がなく、頻繁に展示品を入れ替える常新展示となっている。

また、ほとんどの展示品を触ることができ、「触れる博物館」の先駆けとなってきた。

西都原考古博物館 東憲章副館長:最初は来るお客様に受け入れられない部分も多少はあった。何より実物に触る感動は代えがたいと思うので、いろんなことを感じ取ってもらいたい。県民に私たちの博物館だと感じてもらえるのが、我々の今後の目標になると思う。

西都原考古博物館のさらなる発展に期待がかかる。20周年を記念した特別展は9月8日まで開かれている。

(テレビ宮崎)