玄関や広場、販売スペースに 県立音楽堂、9月から 能登の被災事業者に、無償貸し出し

AI要約

石川県立音楽堂が、被災した事業者に無償で出店スペースを提供する取り組みを始めた。

県立音楽堂では、能登産品の販売などを通じて復興支援と音楽文化の普及を図る。

出店者は内灘町以北の事業者で、販売員の派遣ができることが条件となっている。

玄関や広場、販売スペースに 県立音楽堂、9月から 能登の被災事業者に、無償貸し出し

  ●26日まで、出店者募集

 石川県音楽文化振興事業団は9月1日から、県立音楽堂(金沢市)の玄関前広場とエントランスホールを、能登半島地震で被災した飲食店や事業者の販売スペースとして無償で貸し出す。被災地で営業・販売できない事業者に収益を得る機会を提供する。県立音楽堂で公演がない日にも多くの人に施設を利用してもらい、音楽文化に触れるきっかけにもしたい考えだ。

 県立音楽堂コンサートホール側の玄関前広場でキッチンカーなど4台、エントランスホールでは7~8ブースの出店を想定する。これまで玄関前広場はオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の定期公演日にキッチンカーが出店するにとどまっていた。

 5月の大型連休に開催した「ガルガンチュア音楽祭」(北國新聞社特別協力)では、カニ汁や能登かきなど能登産品の販売ブースがにぎわいを見せたこともあり、スペースの利活用と能登復興の継続的な後押しとなるように無償で貸し出すことにした。

 県立音楽堂の表正人館長によると、既に出店を希望する事業者から問い合わせがあるという。表館長は「被災して商売が軌道に乗ってない人、ノウハウはあるけど販売場所がない人などに活用してもらい、復興の支援としたい」と語る。

 県立音楽堂は金沢駅から徒歩1分と立地が良いが、公演がない日に訪れる人は少ない。能登産品の販売所をきっかけに、駅利用者や観光客など幅広い層の来場が見込まれ、表館長は音楽文化の魅力を伝える好機とも捉えている。

 県音楽文化振興事業団は26日まで出店者を募集している。内灘町以北の事業者で、販売員を派遣できることが条件。OEKの定期公演や貸館がある日は出店不可となる可能性がある。問い合わせは県音楽文化振興事業団総務部まで。