規格外を活用し商品化 五十嵐農園がコーン茶発売【山陽小野田】

AI要約

山陽小野田市でトウモロコシを栽培する五十嵐農園が、規格外のトウモロコシを活用してコーン茶を開発、市場に投入。

奨さんはUターン後、トウモロコシとブロッコリーを栽培する農家として活動。規格外のトウモロコシを見込んでコーン茶製造に取り組む。

洋子さんのアイデアで商品化を決断し、地元の自家製スイートコーンから製造。市場で取り扱われるコーン茶とは異なる特徴を持つ。

規格外を活用し商品化 五十嵐農園がコーン茶発売【山陽小野田】

 山陽小野田市埴生福田地区でトウモロコシを栽培している五十嵐農園の五十嵐奨(すすむ)さん(51)、洋子さん(49)夫妻が、規格外のトウモロコシを有効活用してコーン茶「とうもろこしのお茶。」を発売した。6日に市役所を訪れ、藤田剛二市長に「地元産のコーン茶で古里をPRしたい」と抱負を語った。

 

 市出身の奨さんは会社勤めの後、30歳代後半にUターン。新規就農者の研修施設「万農塾」(宇部市西万倉)で2年間学んだ後に42歳で独立。現在、約1万3000平方㍍の畑でトウモロコシとブロッコリーを生産している。

 

 年間約2万5000本のスイートコーンを育てているが、うち3割が受粉不良や病害虫、有害鳥獣被害のために商品価値のない規格外となっている。

 

 有効活用できないかと検討を重ね、洋子さんがフライパンで煎ってコーン茶にしたところ、市販品よりもおいしかったことから商品化を決断。県のステキ女子活躍推進補助金を活用して製造システムを構築し、パッケージにもこだわった。

 

 コーン茶は韓国や米国で人気のヘルシー飲料だが、トウモロコシは家畜の飼料用を原料に使っている。同農園では自家製のスイートコーンから作るので文字通り甘くてうま味があるのが特徴だ。

 

 洋子さんは「お茶として飲んでもおいしいし、米と一緒に炊いてトウモロコシの茶飯にするのもお薦め」。奨さんは「焙煎(ばいせん)の時間、温度などに試行錯誤を重ね、おいしい商品に作り上げた。トウモロコシが特産品になり市の知名度アップにつながれば」と生産農家の拡大を期待した。

 

 試飲した藤田市長は「甘くて香りも良い。このコーン茶なら暑い夏も乗り切れそう」と絶賛した。

 

 コーン茶は10包(1包2㌘)入り1袋が税込み700円。季節体験農場「花の海」や埴生地域のマルシェなどで販売している。市のふるさと納税返礼品にも申請している。