商品化、反響「びっくり」 館山市の郷土料理「ごんじゅう」の作り方指導・長谷川美知枝さん(77)

AI要約

館山市の郷土料理「ごんじゅう」が人気で、市民や子どもたちに教える活動をしていた人物に焦点を当てた記事。

ごんじゅうの作り方や由来、商品化の経緯、反響などが紹介されており、地元愛や伝統料理の大切さが伝わる。

限定販売されたごんじゅうは大ヒットし、友人との再会や地域活性化も促している。

商品化、反響「びっくり」 館山市の郷土料理「ごんじゅう」の作り方指導・長谷川美知枝さん(77)

 館山市の郷土料理「ごんじゅう」の作り方を、地域住民や子どもたちに教えてきた。6月には、自身が監修したごんじゅうが期間限定で販売され、スーパーで売り切れるほどの人気商品に。「ここまで反響が大きいとは思わず、びっくりしちゃった」と頬を緩める。

 ごんじゅうは、1センチ角に刻んだ豚バラ肉、油揚げ、かつお節と調味料(砂糖、しょうゆ、酒、水)を鍋に入れて煮込み、白米と混ぜておにぎりにしたもの。名前の由来は「両手の5本指を使って握るから、5と5でごんじゅう」。毎年9月に行われる安房地域最大の祭礼「やわたんまち」で、同市高井地区の名物として、みこしを担ぐ若者らに振る舞われてきた。

 40年ほど前、同地区の盆踊り大会の準備中に「昼食で食べるから、具材を味付けして」と求められ、ごんじゅうの存在を知った。その後「やわたんまち」の際に自宅に訪れる若者に振る舞ったところ、好評に。以来、「おらがごっつお(わが家のごちそう)」として、祭りの際には欠かさず握り続けてきた。

 昨年7月、米を使った郷土料理を商品化する事業を始めたコメの卸会社「ミツハシ」(横浜市)が、市の保健推進員だった頃に作成されたごんじゅうのレシピを市ホームページから見つけ、協力を依頼された。家庭の味を機械で再現しなければならず難航したが、20回以上の試作を重ね完成。関東一円のスーパーや地元の道の駅などで限定販売されると人気となり、テレビや新聞などのメディアに取り上げられた。

 「30年ほど会えなかった友人が電話をくれた。それが一番うれしかった」と思わぬ効果も。野菜栽培などで忙しく、出先でごんじゅうを作る活動はしないつもりだが、「郷土料理が広まれば」との思いに変わりはない。「小学生や育ち盛りの子のおやつにもおすすめ。本当に簡単だから、家庭でも作ってみて」