前理事長の私的流用問題「川崎市の監査不十分」 社福法人職員が証言

AI要約

社会福祉法人「母子育成会」(川崎市川崎区)の前理事長が法人の金を私的に流用していた問題で、職員らが市の監査が不十分だったことを指摘。

同法人は市内で保育所や老人ホームを運営し、市からの支出が約20億円。監査では会計の中身について話されず、不正が見過ごされた可能性も。

市は通常は3年に1度の監査を行っていたが、職員は市の担当者が帳簿をほとんど確認せず、監査の不十分さを訴えている。

前理事長の私的流用問題「川崎市の監査不十分」 社福法人職員が証言

 社会福祉法人「母子育成会」(川崎市川崎区)の前理事長が法人の金を私的に流用していた問題で、同法人で働く職員らが1日、川崎市内で報道陣の取材に応じ、市による監査が不十分だったことから、不正な会計処理が見過ごされたと指摘した。

 同法人の監査は、監査法人と市の担当者が一緒に事業所を訪問し、帳簿などを確認していたという。

 職員の一人は、「監査法人は会計処理の仕方の指摘や指導が中心で、会計の中身については話されなかった」と明かした。

 同法人は市内で四つの認可保育所と二つの特別養護老人ホームなどを運営している。市は毎年度、介護給付費や事業委託料などとして約20億円を支出していた。市は法人の資金繰りが悪化していたことから通常は3年に1度程度の監査を毎年行うなど運営状況を注視していたという。

 しかし、職員の一人は「市の担当者は会計関係の帳簿をほとんど見なかった。監査法人の人が帳簿などを見るが、1人が1日で見きれる量ではない」などと、監査の不十分さを指摘した。