「仏壇の前で謝りました…」妻の死亡保険金もゼロに…「最高のパートナーになる」きっかけはマッチングアプリ「ロマンス詐欺」で840万円被害の50代男性が語る「後悔」と「巧妙な手口」

AI要約

長野県内で特殊詐欺被害が急増しており、2023年には被害件数が2倍近く増加し、被害金額は10億円に上る状況が続いている。

残念ながら、高齢男性や一人で子供を育てる男性など、さまざまな被害者が出ており、手口も複雑化している。

SNSを利用したロマンス詐欺も急増中であり、気を付ける必要がある。

「仏壇の前で謝りました…」妻の死亡保険金もゼロに…「最高のパートナーになる」きっかけはマッチングアプリ「ロマンス詐欺」で840万円被害の50代男性が語る「後悔」と「巧妙な手口」

特殊詐欺の被害が後を絶ちません。

2019年に125件だった長野県内の被害件数は、2023年は、227件と、2倍近くに増えました。

2023年の被害金額は10億円近くに上ります。

巧妙化する詐欺の手口。

その実態を被害者が証言しました。

県内に住む80代の男性。

7月、特殊詐欺の被害にあい、150万円をだまし取られました。

妻と息子夫婦と同居。

コツコツと預金をため、これからの生活に備えてきました。

男性:

「老後の資金に使いたかった」

「だから大事な大事なお金なんですよね」

男性の携帯電話に着信があったのは7月上旬。

セキュリティ関係の団体を名乗る女性からでした。

女性は、「アメリカで買い物をしたことがマネーロンダリングになる」、「日本の金融庁から連絡がある」と男性に告げました。

男性:

「ええ!と思って、コールセンターのセキュリティ団体からくることが初めてだった。安心してください、一切負担はありませんと言われて」

「その時は、ああよかった、と思って、ほっとして」

その日のうちに金融庁の職員をかたる人物から再び着信。

「マネーロンダリングに使われたので、あなたの口座が全て凍結される」などと不安をあおります。

男性:

「これは困ったと、被害者及び犯罪者を疑われる。あとは(口座の)凍結問題が怖かったですね」

犯罪の加害者になってしまうのでは。

男性は冷静な判断ができなくなっていました。

金融庁の職員をかたる人物:

「金融庁が作る口座に現金を移せば問題はない」

相手の指定した口座に振り込むなどして150万円をだまし取られました。

男性:

「自分一人で判断したことは間違っていた」

「あの時やっぱり相談しておけばよかったな」

「悔しい思いで、夜寝る時に、なんで気が付かなかったんだろうと思う」

そしていま、新たな詐欺が急増しています。

SNSなどを通じて恋愛感情を抱かせて現金をだまし取る手口です。

今年に入って6月までの被害件数は79件。

2023年の同じ時期に比べ6倍以上に上り、被害額は、10億円を超えます。

いわゆるロマンス詐欺の被害にあった県内に住む50代の男性。

6年前に妻を病気で亡くし、1人で4人の子どもを育てています。

会社の同僚などから勧められ、今年2月下旬、マッチングアプリに登録。

2日後、女性を名乗る人物が接触してきました。

「はじめましてLINEでは本名です。一度よろしくお願いします」

次第に相手からは好意を伝えるメッセージが届くようになります。