五輪に負けない盛り上がり!町の人口より多い参加者が「どろんこバレー」で奮闘 神戸・大沢町

AI要約

神戸市北区の休耕田を舞台に繰り広げられた「どろんこバレーボール神戸大会」は、決してパリ五輪に負けない盛り上がりを見せ、老若男女が全身泥にまみれながら熱戦を繰り広げた。

大沢町で25年前に始まった「どろんこバレー大会」は、休耕田を活用したイベントで町を盛り上げるために立ち上げられ、地元の人だけでなく都市部からも自然を楽しむ人々を引きつけている。

毎年開催されている「どろんこバレー」は今年で23回目であり、地元の夏の風物詩として定着しており、多くの人々が泥まみれながら楽しむ姿が見られる。

五輪に負けない盛り上がり!町の人口より多い参加者が「どろんこバレー」で奮闘 神戸・大沢町

 夏真っ盛り、強い日差しが照り付けるなか、パリ五輪に負けない盛り上がり、そして、“泥臭く”がむしゃらなプレーが、神戸市北区の休耕田を舞台に繰り広げられました。

 7月28日(日)、神戸市北区大沢町(おおぞうちょう)で行われたのは、「どろんこバレーボール神戸大会」。人口約900人の大沢町で、その数を上回る約1000人が参加した同大会では、老若男女が全身泥にまみれながら熱戦を展開し、大いに盛り上がりました。

 今大会について、主催者である実行委員会事務局の大家喜八郎さんに詳しい話を聞きました。

「どろんこバレー大会」は、いまパリで行われている五輪競技のバレーボールと変わらず、6人制。ただコートが田んぼのため、ぬかるんだ泥に足を取られることもあって、経験や男女差、年齢差などがほとんど出ず、誰でも同じように楽しめるのが魅力だといいます。大家さんは「今年もみんな泥まみれになりながらボールを追いかけて楽しんでくれました」と今大会を振り返りました。

 大沢町の「どろんこバレー大会」の始まりは25年前の、1999年。大家さんが立ち上げました。きっかけについて、次のように話します。

「当時は全国で米が余り、減反政策が行われていて、大沢町も休耕田が多くありました。私自身が農家であることと、1995年にあった阪神・淡路大震災から、町には暗い雰囲気がずっと漂っていたのもあり、休耕田を活用したイベントでどうにか町を盛り上げられないかと考えていました」

 そんな中、偶然、長野県で「どろんこバレー大会」が行われていることを知ります。大家さんは知り合いに声をかけ、実際に参加。童心に返ってプレーを楽しむにつれ、「これは大沢町でもできる!」と確信したといいます。

「大沢町は、(神戸の中心部の)三宮から車で約30分の距離でのどかな田園風景が広がる場所です。ある程度アクセスもいいので、地元の人間だけでなく、都市部の人にも自然を楽しんでもらおうと、『どろんこバレー大会』の実施を決めました」

 長野県で大会に参加したわずか2か月後、勢いをそのままに、大沢町での第1回大会の実施にこぎつけました。

「初回から好評でした。口コミですぐに大会の存在が広まって2年後の第3回大会には参加チームは100を超え、人数も町の人口を超える1000人ほどになりました」

 コロナ禍での休止を除いて、毎年開かれている大沢町の「どろんこバレー」は、今年で23回目。第1回から欠かさず参加する人、北海道や東京など県外に転勤しても里帰りも兼ねて参加する人、親になって子どもと一緒に参加する人など、いろんな人が泥にまみれながら楽しんでいるとのこと。

「私自身生まれてからずっと大沢町に住み続けています。若い人たちが都市部に流れてしまうのを見ると非常に寂しい気持ちになります。多くの人の交流を生んだり、活性化につながったりするよう、『どろんこバレー』を楽しんでもらいたい」

 いまや、大沢町の夏の風物詩として欠かせないものになった、「どろんこバレー」。これからも、オリンピアンに負けないハッスルプレーと、泥だらけの笑顔が咲き乱れる様子に、期待せずにはいられません。

※ラジオ関西『Clip』2024年7月31日放送回「トコトン兵庫!」より

(取材・文=境祐貴)