『キングダム』王騎の「ンフ」は台本になかった!佐藤信介監督が明かす

AI要約

原泰久の人気漫画『キングダム』シリーズの第4弾で、王騎役を演じる大沢たかおの役づくり過程や印象的なシーンについて語られた。

大沢たかおは、ルックスと体型が王騎とは異なるが、キャスティングの決定は彼の独自の世界観を表現するために重要だった。

撮影時は大沢たかおが驚くほどの肉体改造を遂げ、特殊メイクやCGを使わずに王騎を演じられることが決定された。

『キングダム』王騎の「ンフ」は台本になかった!佐藤信介監督が明かす

 原泰久の人気漫画を山崎賢人(※「崎」は「たつさき」)主演で実写映画化したシリーズの第4弾『キングダム 大将軍の帰還』(公開中)で、特に原作の再現度の高さが絶賛されている人気キャラクターの王騎について、演じる大沢たかおの役づくりの過程やシリーズを通して印象深いシーンを佐藤信介監督が語った(※一部ネタバレあり)。

 紀元前の中国春秋戦国時代が舞台の『キングダム』シリーズは、天下の大将軍になる夢を抱く戦災孤児の少年・信(山崎)が、秦国の若き国王・エイ政(後の始皇帝/吉沢亮※エイは、上に亡、中に口、下左から月、女、迅のつくり)の目指す中華統一のために他国との激戦に身を投じ、武将として成長していくアクション。中華全土にその名を轟かす王騎は、主人公・信が憧れる秦国随一の大将軍。シリーズ最終章と銘打つ本作では、前作で秦国の総大将として戦場に本格復帰した王騎が、その怪物ぶりを発揮して圧倒的な武力を見せつけるだけでなく、その過去も明かされる。

 2019年公開の第1作『キングダム』の公開前に王騎を大沢が演じることが発表された時は、“秦の怪鳥”とも称される筋骨隆々の王騎のルックとはかけ離れていることから不安の声もあった。佐藤も「もともとの大沢さんはスリムだから体つきは似ていないと思った」と認めるも、キャスティングについては似ているかどうかよりも大事にしたことがあったと振り返る。

 「昔から出演作を見ていて、大沢さんならではの“大沢ワールド”がある方だと感じていました。そこが、独特の世界を持つ王騎を実写として表現する時にフィットして花開くのではと。“王騎ワールド”と“大沢ワールド”がぶつかり合うことで破壊的エネルギーが生まれることに期待したし、その核融合みたいなものを撮りたかった。その頃はまだ大沢さんがここまで怒濤の肉体改造をされるとは知らなかったから、肉体は特殊メイクやCGで工夫すべきだろうし、撮影できるカットも限定されるだろうなど、いろいろ話し合っていました。ところが大沢さんがものすごい肉体に仕上げてきてくださったので、これなら加工なしでそのままいけるから、あとはコスチュームで王騎らしさをより強調しようということになっていきました」