パリ五輪ローイング 日本代表コーチの原口聖羅(長崎出身) “愛されキャラ”笑顔で選手送り出す 

AI要約

原口聖羅さんはローイング日本代表のコーチとして愛されており、選手とスタッフをつなぐ役割を果たしている。

彼は自然体で肩肘張らず、選手の力を引き出すことに注力している。

原口さんは競技者としての実績はなかったが、指導者としてのキャリアを積み重ね、自身を成長させてきた。

現在は女子軽量級ダブルスカルの指導を担当し、選手たちをサポートしている。

パリ五輪ローイング 日本代表コーチの原口聖羅(長崎出身) “愛されキャラ”笑顔で選手送り出す 

 コーチングから各選手の日程調整まで何でもこなし、気さくな人柄で選手とスタッフの心をつなぐ。ローイング日本代表のコーチに抜てきされた東彼東彼杵町出身の原口聖羅(33)=日本ローイング協会=は、そんな“愛されキャラ”でチームジャパンに重宝されている。「特別に何かをする意識はない。選手が力を発揮できるように」。初めて見る五輪の舞台。肩肘張らずに自然体を心がけている。

 「競技者としての実績を考えたら、こんな場所にいるはずないんですけどね。気付いたら五輪まで来ちゃってる。自分でもびっくりです」

 パリ中心部から東にバスで1時間。緑豊かなマルヌ湖のほとりで取材に応じた原口は、おどけながら自身の歩みを振り返った。

 大村高時代にインターハイや国体の入賞はなく、早大スポーツ科学部に一般入試で入学した。大学でかじ付き、かじなしの4人スカルでそれぞれ日本一を経験。社会人1年目の2013年、長崎県のスポーツ専門員としてUターン就職し、母校でコーチを務めながら競技を続けた経験が現在の礎となっている。

 「部活動で生徒たちに教える中で、自分も学ぶことがたくさんあって。もっと指導者について知りたいと思う気持ちがだんだんと強くなった」

 今大会のチームリーダーを務める森山修強化委員長(49)=日本ローイング協会=に誘われて協会入りしたのが18年春。「自分なんかがやっていけるのか」。最初は気が引けたが、長崎の競技仲間から「いつかは帰ってこい」と背中を押されて決断した。以降、育成年代の代表チーム指導を続け、22年、フル代表のスタッフに。パリ五輪はナショナルコーチの肩書で臨む初めての大会で、森山氏が「調整力やマネジメント力、きめ細かいケアに優れている」と抜てきした。

 女子軽量級ダブルスカルに出場する広内映美(28)=明治安田生命=と大石綾美(33)=アイリスオーヤマ=の指導を担当する。大石は早大の1学年後輩、広内も自身と同じ時期に代表入りしたとあって、いい相談相手になっている。

 28日に18艇の出場で競技が始まり、広内・大石組は予選組5着で敗者復活戦に回った。7~12位を決めるB決勝への進出を目指す。

 「五輪となると選手の仕上がりも一段と違う。いい感じですよ」。きょうも選手が安心できるように、にこっと笑ってレースに送り出す。