空き店舗、宿に改修 霞ケ浦一望、観光拠点に 29日オープン 茨城・かすみがうら市

AI要約

茨城県かすみがうら市に新たにオープンした1棟貸しの宿「水郷園」が29日、オープンした。元飲食店を改修して整備された宿泊施設は、古い建物を活用する取り組みの一環で、インバウンド(訪日客)の利用を見込んでいる。

宿泊施設は県のインバウンドコンテンツ造成支援事業の補助金で整備され、第三セクター「かすみがうら未来づくりカンパニー」が管理者を務める。市は空き家対策にも期待を寄せており、所有者と利用者の間をつなぐ役割を果たすことで地域の活性化を図っている。

改修された宿泊施設は、洋室と和室の寝室各2部屋を備え、広大な霞ケ浦を望むことができる配慮がされている。宿泊料金は季節によって異なり、地元食材を味わいながら非日常空間を堪能できる。

空き店舗、宿に改修 霞ケ浦一望、観光拠点に 29日オープン 茨城・かすみがうら市

茨城県かすみがうら市坂の霞ケ浦湖畔の高台に1棟貸しの宿「水郷園」が29日、オープンする。市が民間から譲り受けた元飲食店を改修し、宿泊施設として整備した。古い建物を活用するのは「古民家江口屋(同所)」に続いて2例目。インバウンド(訪日客)などの利用を見込んでいる。

県のインバウンドコンテンツ造成支援事業の補助金5000万円を活用して整備され、第三セクター「かすみがうら未来づくりカンパニー」が指定管理者として運営する。同社はオープン日に「かすみがうらFC」に社名変更し、宮嶋謙市長が代表取締役となる。

市観光課は「行政が観光事業に注力することで、地域の空き家対策にも効果がある。所有者と利用者の間をつなぐ役目を市が担い、空き家の利活用を促進したい」と期待を込める。

空き店舗は1965年に建てられ、2001年ごろまでうなぎなど川魚料理を提供していた。敷地面積は1.5ヘクタール、建物は2階建てで152平方メートル。里山建築研究所(同県つくば市)が改修を受け持ち、洋室と和室の寝室各2部屋、書斎、ダイニング、浴室、ウッドデッキなどを備えた施設に生まれ変わった。

内覧が23日にあり、宮嶋市長や県観光戦略課の担当者らが宿泊施設を見て回った。窓辺や庭先から広大な霞ケ浦が眺められ、白木の板を基調にした室内は落ち着いた雰囲気。宮嶋市長は「全国、世界からたくさんの人に来てもらい、茨城県の観光拠点として使ってもらいたい」と語った。

宿泊料金は朝食付きで5万5000円から。料金は季節により変動する。収容人数は2~6人。

同社事業マネジャーの横山大樹さんは「非日常空間に浸りながら景色を楽しみ、地元食材を味わってほしい」と話した。