20年7月豪雨で流失…日田市の「新天瀬橋」よみがえる 橋桁高くし安全性向上 28日に旧橋の断片使ったアート作品飾り渡橋式

AI要約

2020年7月の豪雨で流失した大分県日田市天瀬町の新天瀬橋の復旧工事がほぼ終わり、28日に渡橋式を迎える。橋桁を高くして被災しにくくし、安全性を高めた。

橋の架け替え工事は4年ぶりに行われ、新橋は20年の豪雨並みの水量でも流されないよう設計されている。

住民らは以前の日常が戻ることを願い、橋の復旧を心待ちにしており、渡橋式にはアート展示会も開かれる。

20年7月豪雨で流失…日田市の「新天瀬橋」よみがえる 橋桁高くし安全性向上 28日に旧橋の断片使ったアート作品飾り渡橋式

 2020年7月の豪雨で流失した大分県日田市天瀬町の新天瀬橋の復旧工事がほぼ終わり、28日に渡橋式を迎える。橋桁を高くして被災しにくくし、安全性を高めた。豪雨から4年。住民らは以前の日常が戻ることを願い、流失した橋の一部を使ったアート作品の展示会などを渡橋式に合わせて開く。

 市土木課によると、市道が通る旧橋(1983年完成)は豪雨で玖珠川の濁流にのまれ、約200メートル下流まで流された。

 架け替え工事は河川改修計画をまとめる県日田土木事務所と調整し、元あった場所で2022年度に着工。新橋は長さ67・2メートル、幅3・3メートル、20年の豪雨並みの水量でも流されないよう橋桁の高さを約60センチ引き上げた。総事業費約6億円。

 橋は天ケ瀬温泉街の目抜き通り(左岸側)と3世帯が住む地区(右岸側)をつなぐ生活道路。右岸側の川沿いには市道が通るが、増水時は浸水により一時、孤立することもあった。

 市は災害対応として6月下旬から通行できるようにしている。右岸側に暮らす佐藤統久さん(76)は「とても便利になった。橋桁も高くなり、大雨の時でも安心できる」と話す。

 渡橋式は28日午後1時から、右岸側の天瀬温泉公園で。会場では佐藤さんら住民がイベント「天瀬の川を想(おも)う」を開き、旧橋の断片を使ったオブジェを並べて映像作品を上映する。

 オブジェは27日から温泉街内の旧あまがせ保育園で詩人の故芦刈昌信さんらの作品と共に展示し、同日午後7時からは映像パフォーマンスも。天瀬公民館には地元の東渓小児童が描いた絵などを飾る。展示はいずれも28日まで。

 佐藤さんは「いろんな人に橋を訪ねてもらい、10年たっても思い出すことのできる災害伝承の場にもしていきたい」と話している。