「自分たちにも非はあるんだよ。こんなのが親かぁ」 園児バス置き去り死亡事件で遺族を苦しめる誹謗中傷

AI要約

女児が送迎バスで置き去りにされて熱中症で死亡した事件の背景と、元園長への実刑判決について。

父親の苦悩や後悔、そしてSNS上での誹謗中傷について。

遺族が抱える悲しみや後悔、さらには誹謗中傷に対する苦痛について。

「自分たちにも非はあるんだよ。こんなのが親かぁ」 園児バス置き去り死亡事件で遺族を苦しめる誹謗中傷

幼稚園の送迎バスに置き去りにされ、重度の熱中症で死亡した女児の両親は、愛する子供を失った悲しみに加え、別の苦しみを抱えている。それがSNS上での誹謗中傷だ。父親は心無い書き込みに「なぜ私たちや千奈が侮辱されないといけないのか」と憤る。

2022年9月5日。

牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の送迎バスに、河本千奈ちゃん(当時3)が長時間にわたって置き去りにされ死亡した。

この日は最高気温が30.5℃を記録する残暑厳しい1日。

千奈ちゃんは窓を閉め切って施錠されたバスに置き去りにされ、重度の熱中症「熱射病」によって死亡した。

この事件をめぐっては、2024年7月4日 静岡地裁がバスを運転していた当時の園長(74)に対し、「安全確保に対する意識の欠如は甚だしい」として禁錮1年4カ月の判決を言い渡した。

元園長は運転手として園児全員を確実に降車させ、全員が降りたどうか確認する義務があったにも関わらず、確認を怠っていた。また園長として園児の安全を守る計画を策定する義務があったにも関わらず、それも怠っていた。

判決言い渡しの直後、千奈ちゃんの父親は「実刑だとわかった瞬間には本当に何も考えられない状況でした。命を落としてしまって元通りには戻らない。千奈ちゃんは私たちが経験したことがない苦しみを味わいながら亡くなったので、これで『実刑になってよかったね』とは思えない。『助けられなくてごめんなさい』という気持ち」と胸の内を吐露。

愛する娘を失った悲しみ。そして、助けることができなかった後悔。

しかし、遺族が抱える苦しみはこれだけに留まらない。

「園側は一切悪くない、この家庭や他の家庭が悪い。カス親のくせに被害者ヅラすんな」

「家から幼稚園近いなら、そもそも徒歩で送迎するべきでは? 被害者面してるけど、自分たちにも非はあるんだよ。こんなのが親かぁ」

これは千奈ちゃんの父親が事件後から始めたSNSに寄せられた誹謗中傷だ。