WSJ記者に懲役16年 スパイ罪で露裁判所が判決 米国は反発

AI要約

ロシア中部エカテリンブルクの裁判所は19日、WSJの記者に対し懲役16年の実刑判決を言い渡した。バイデン大統領は即時釈放を求める声明を発表。

ゲルシコビッチ記者はスパイ罪で起訴され、防衛企業の機密情報をCIAの指示で収集したとされる。訴えを否認し審理が非公開で行われた。

ロシア外相はスパイ活動に関する証拠を示し、米露の情報機関が拘束者の交換に向けて接触していることを明らかにした。

WSJ記者に懲役16年 スパイ罪で露裁判所が判決 米国は反発

 ロシア中部エカテリンブルクの裁判所は19日、スパイ罪に問われていた米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者に対し、懲役16年の実刑判決を言い渡した。タス通信などが伝えた。

 判決を受け、バイデン米大統領は同日に声明を出し「彼が記者であり、米国民であったために標的にされた。不当な拘束であることは間違いない」と訴え、即時釈放を求めた。

 ゲルシコビッチ氏は2023年3月、エカテリンブルクで取材中にロシア連邦保安庁(FSB)に拘束された。その後、防衛企業の軍事装備などに関する機密情報を米中央情報局(CIA)の指示で収集したとして、検察当局に起訴された。ゲルシコビッチ氏は罪状を否認。審理は今年6月に始まり、非公開で行われた。

 ゲルシコビッチ氏を巡っては、ロシアのラブロフ外相は今月17日、訪問先の米国で開いた記者会見で、「スパイ活動に従事していた反論の余地のない証拠をつかんでいる」と主張。その上で、米露の情報機関が双方の国でそれぞれ拘束されている人物の交換に向けて接触を続けていると明らかにした。【モスクワ山衛守剛】