【ドラマ化】《傷ついた心の値段は?》加害男性がテラハ木村花さんに支払った「リアルな金額」とネット中傷裁判にかかる「相当な期間」

AI要約

ドラマ『しょせん他人事ですから』が話題を集めている。主題はネットトラブルに特化した内容であり、実際の事件を元に展開される。

弁護士・清水陽平氏のインタビュー記事では、SNS誹謗中傷の実態や和解金支払いの遅延について語られている。

和解金の支払いには一括払いや分割払いの選択肢があり、遅延も起こりうるがケースバイケースであり、相手の対応次第で異なる。

【ドラマ化】《傷ついた心の値段は?》加害男性がテラハ木村花さんに支払った「リアルな金額」とネット中傷裁判にかかる「相当な期間」

〈【ドラマ化で話題】「ブス」「ヤリマン」「肉便器」人妻ブロガーがSNSで受けた“悪口”が「誹謗中傷とはいえない」深いワケとは?《弁護士が明かす“SNSの黒いリアル”》〉 から続く

 白泉社『黒蜜』で連載中のマンガ『しょせん他人事(ひとごと)ですから~とある弁護士の本音の仕事~』がドラマ化され、7月19日からテレビ東京系で放送がスタートする(毎週金曜20:00~)。

 主人公の弁護士・保田理は中島健人、保田の事務所に勤めるパラリーガルは白石聖、ドラマオリジナルキャラクターの喫茶店主・柏原麻帆を片平なぎさが演じる。〈炎上〉〈誹謗中傷〉〈情報開示請求〉などネットトラブルに特化したドラマとして「テーマが身近すぎる」「実際に起こりそう」と早くも話題だ。

『しょせん他人事ですから』をより楽しむために、主人公のモデルであり、マンガ監修を担当する弁護士・清水陽平氏のインタビュー記事を再公開する(初出2022年8月29日、単行本巻数、発行部数は最新のものに変更。肩書き、年齢等は当時のまま)。

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 SNSの誹謗中傷といえば、2020年に亡くなった木村花さんを思い出す人も多いだろう。テレビ番組『テラスハウス』出演をきっかけに多くの誹謗中傷を受けた花さんは自死し、大問題となった。

 マンガ 『しょせん他人事(ひとごと)ですから』 (白泉社)を監修する弁護士・清水陽平氏は、花さんの母・木村響子さんの代理人も務める。実際の訴訟、支払遅延の問題、本人死亡後の情報開示請求の複雑さについて聞いた。(全3回の2回目/ 1回目 を読む)

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――マンガでは、人妻を誹謗中傷した相手が特定され、相手は和解金を支払うことになります。ところが、指定日に支払われたのは最初の2回で、あとは遅延してしまいます。

 実際のケースでも、支払遅延は多いのでしょうか。

清水 これはケースバイケースで、その人次第……としか言えないですね。

 和解金のうち、慰謝料として認められる相場は30万~60万円。調査費用を入れても最高で100万円前後、実際は60万~80万円ぐらいが多いです。金額を相手方に提示すると、「それくらいなら一括払いする」と言う人もいます。

――支払方法は、一括か分割か選べるんですか。

清水 依頼者次第ですが、応じる方も多いです。でも分割払いの場合、マンガのように最初だけ払って、あとは無視する人もいます。

 ですから、相手方が「分割払いで」と言ってきたら、もしかするとあやしいかも……という印象はあります。