中米の農園で毎年コーヒー豆を自ら収穫 厚木の販売店主、情熱から映画製作

AI要約

酒井涼旦郎さんが中米グアテマラのコーヒー豆生産の様子や自身のコーヒーへの熱意を描いたドキュメンタリー映画を製作。

弟の突然の死をきっかけに会社を辞め、起業家創出拠点で学び、厚木市でコーヒー豆販売店を開業。

グアテマラの農園で手作業でコーヒーの実を収穫し、種を取り出す作業を毎年継続。

中米の農園で毎年コーヒー豆を自ら収穫 厚木の販売店主、情熱から映画製作

 厚木市東町のコーヒー豆販売店「厚木珈琲(コーヒー)」代表の酒井涼旦郎(りょうたろう)さん(31)が、店で販売する中米グアテマラのコーヒー豆の生産の様子や、自身のコーヒーにかける思いを描いたドキュメンタリー映画「MADE IN_」を製作した。酒井さんの知人の映像クリエーター高橋優月さん(24)が撮影。同市旭町のライブハウス店長尾崎元気さん(32)が主題歌作りを引き受け、歌手Iny(アイニー)さん(18)が歌を吹き込むなど、若者の力が集まった。

 酒井さんは以前、大手飲料メーカーのコーヒー豆焙煎(ばいせん)会社に勤める傍ら、より高品質の「スペシャリティーコーヒー」に興味を持ち、個人的に焙煎の大会にも参加していた。

 海老名市内での工場立ち上げに奔走していた7年ほど前、6歳下の弟が突然、交通事故で亡くなった。「自分もすぐに死んでしまうかもしれない。後悔しないように生きなくては」-。

 思いが強まり会社を辞め、クラウドファンディング会社で働く一方、県が厚木市内に開設した起業家創出拠点「AGORA Hon-atsugi」で起業を学ぶなどして2022年に「厚木珈琲」を開業した。

 グアテマラは飲料メーカー時代に研修で訪れた国。知人を介して農園の一部を自社用に契約。山間の農園では手作業でコーヒーの実を収穫し、種を取り出し乾燥させる。酒井さんは毎年、生産者宅に泊まり込み、作業を共に行ってきた。