膵がん進行抑制に効果 アワレ富山大准教授ら化合物開発

AI要約

富山大の研究グループが膵臓がんの進行を抑える化合物を開発したと発表。

化合物はオオバンガジュツから得られ、抗がん剤との併用効果が示された。

実用化に向けて製薬企業との共同研究を進める意向を示す。

 富山大和漢医薬学総合研究所のスレス・アワレ准教授(53)を中心とする富山大の研究グループは20日、膵臓(すいぞう)がんの進行を抑える化合物を開発したと発表した。がんの中でも特に治療が難しいとされる膵がんの新たな治療法につながる可能性がある。

 化合物は、オオバンガジュツという薬用植物にわずかに含まれる物質を参考に、有機合成化学で開発。マウスを用いた実験の結果、抗がん剤「ゲムシタビン」と併用することで、腫瘍の増殖を大幅に抑える効果があることが分かった。

 従来の抗がん剤は、膵がん細胞の薬物耐性に伴い効果が薄れてしまい、副作用の負担も大きい。アワレ准教授は「膵がんの患者の命を救えるよう、実用化に向けて製薬企業との共同研究を進めたい」とした。

 研究成果は米化学誌「ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー」に掲載された。