兵庫県副知事「引き金は文書問題だが、根本は議会と信頼関係を築けなかった」 辞職の意向を表明

AI要約

兵庫県の斎藤元彦知事らに告発文書を作成した元西播磨県民局長が死亡したことを受け、片山安孝副知事が辞職する意向を表明した。

片山副知事は根本的な問題は県の経営者として議会との信頼関係を築けなかったことで、辞職する意向を示した。

一連の問題は、男性がパワハラ疑惑を取り上げた文書を作成したことから始まり、男性は証人尋問を控えた際に自死したとみられている。

 兵庫県の斎藤元彦知事らに「違法行為があった」とする告発文書を作成した元西播磨県民局長の男性(60)が死亡した問題などを受け、片山安孝副知事が12日、県庁で報道陣の取材に応じ、7月末で辞職する意向を表明した。11日に斎藤知事に伝えたといい、12日午後にも辞職願を提出する。

 片山副知事は「引き金は文書問題だが、根本は県の経営者たる特別職として議会との十分な信頼関係を築けなかったこと。副知事として責任を取らないといけない」などと語った。11日の神戸新聞社の取材には「知事には一緒に辞職するよう進言したが、『県民の負託を受けている』という理由で受け入れられなかった」などと説明していた。

 片山氏は1983年に入庁し人事課長や産業労働部長などを歴任。斎藤知事の就任翌月の2021年9月に副知事職に就き、最側近として県政を支えてきた。

 一連の問題では、3月中旬に元県民局長の男性が知事らのパワハラ疑惑などを取り上げた文書を作成し報道機関などに配布。斉藤知事は男性を解任し、5月に停職3カ月の懲戒処分にした。だが懲戒処分の内部調査の客観性が疑問視され、県議会が6月、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置。男性は7月19日に証人尋問を受ける予定だったが、7日に亡くなっているのが見つかった。関係者によると、自死とみられる。(前川茂之、金 慶順)