阿蘇市、旧ひのくに会館を売却へ 東日本大震災の被災者受け入れへ購入、利用ないまま老朽化

AI要約

阿蘇市は、2011年に取得したひのくに会館を民間へ売却することを決定した。新型コロナウイルス感染症の5類移行後、需要が見込めると判断し、市議会全員協議会で説明された。

ひのくに会館は、公立学校共済組合から購入された施設で、かつては温泉や宿泊室、屋外プールなどを備えていたが、閉鎖された後は利用がなく老朽化が進んでいた。

市は公募型プロポーザル方式で民間事業者に売却を募集し、内牧温泉街の好立地を活かして地域の活性化と発展につながる提案を受け付ける方針としている。

阿蘇市、旧ひのくに会館を売却へ 東日本大震災の被災者受け入れへ購入、利用ないまま老朽化

 阿蘇市は、2011年に取得した同市内牧の旧公立学校共済組合阿蘇保養所(ひのくに会館)を民間へ売却する。新型コロナウイルス感染症の5類移行後、経済が動き出し需要が見込めると判断した。9日の市議会全員協議会で説明した。

 ひのくに会館は敷地面積6836平方メートルで、1973年築の鉄筋コンクリート4階建て。天然温泉の大浴場や宿泊室、会議室、屋外プールなどを備えていた。2005年3月に利用低迷による赤字で閉鎖された。

 市は、東日本大震災の被災者や被災企業を受け入れるとして、公立学校共済組合から土地と建物を3千万円で購入。5年間は被災者支援に使う条件で、その後は温泉や公民館として市民のために使う計画だった。しかし、被災者の利用はなく、12年の九州北部豪雨や16年の熊本地震を経て、建物の利用が一度もないまま老朽化が進んだ。

 市は公募型プロポーザル方式で8月から募集要項を配布。10月に民間事業者によるプレゼンテーションを実施して審査する。11月に最優秀提案者を決める方針という。公売予定価格は3300万円。市は「遊休施設に民間の力を活用する。内牧温泉街という好立地を生かし、地域の活性化と発展につながる提案を募りたい」としている。(宮崎あずさ)