「日本のスキー場はスバラシイ…!」オーストラリア人が大絶賛する「意外な場所」とその納得の理由

AI要約

ニセコは海外富裕層を引き付ける冬の高級リゾート地として成功している。

オーストラリア資本による花園買収が国際リゾート化の転換点となった。

現在は香港のPCCWグループが大規模な開発を進めている。

「日本のスキー場はスバラシイ…!」オーストラリア人が大絶賛する「意外な場所」とその納得の理由

今や世界中から富裕層がこぞって訪れる冬の高級リゾート地となった北海道ニセコ。どうやってニセコはインバウンドをものにしたのか。海外の富裕層を取り込む外国資本の戦略、日本の観光に足りていないものとは何なのか。ニセコの成功の背景を、リゾート地・富裕層ビジネス・不動産投資の知見をもつ筆者が、これらの謎をひも解く。

*『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(高橋克英著)より抜粋してお届けする。

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』連載第22回

『バブル崩壊が起こした悲劇…東急が手放さなければならなかった「ある施設」の悲惨な結末』より続く

オーストラリア資本による花園買収は、今につながるニセコの国際リゾート化にとって大きな転換点になったといえよう。オーストラリアにもスキー場はあるものの、その数は限られ、雪質がいいとはいえず、北米や欧州にまで出掛けるスキーヤーもいたが、距離的な制約もあり一部の富裕層に限られていた。

その点、ニセコはパウダースノーの魅力はむろん、豪州と距離的に近く、しかも時差がほとんどない。温泉や食事の良さ、そして何よりも円安とデフレ不況による日本の物価の安さも彼らにとって魅力となった。

花園の運営が東急から豪州資本に移ってわずか3年後の2007年、日本ハーモニー・リゾートは香港のPCCWグループに買収された。PCCWは世界屈指の財閥「長江実業集団」を築いた大富豪、李嘉誠氏の次男・李沢楷氏が率いる香港の大手通信会社だ。

日本では東京駅近くの「フォーシーズンズホテル丸の内東京」が入る高層ビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」の開発実績で有名だ。そのPCCWの子会社「パシフィック・センチュリー・プレミアム・ディベロップメンツ」(PCPD)が、日本ハーモニー・リゾートを買収した。PCCWグループは2020年1月にはパークハイアットニセコHANAZONOを開業するなど、花園地区の大規模開発が急ピッチで進行中だ。

『「1泊20万円越え…」北海道の主要空港の経営権を握る東急不動産が手がける「豪華列車旅行」の衝撃的な内容』へ続く

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